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新たな物価高の波到来、同調値上げに懸念


ニュース その他分野 作成日:2007年10月2日_記事番号:T00002946

新たな物価高の波到来、同調値上げに懸念

 
 原油価格や原料価格の値上げを受け、10月から新たな物価上昇の波が押し寄せている。2日付工商時報によると、行政院上層部は「下半期の物価上昇は昨年よりも厳しくなる」との認識を示した。即席めんメーカーは15%の値上げが伝えられたことから、謝志偉行政院スポークスマンより、「不当な同調値上げが見つかれば、公平交易委員会(公平会、公正取引委員会)は決して座視しない」と警告を受けた。8月に牛乳メーカー3社が同調値上げで罰金処分を受けた前例があるため、各メーカーは一度に大幅な値上げは行わず段階的に実施する意向だ。
 

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ガソリン価格の値上げを前に、大量のバイクがガソリンスタンドに押し寄せた(1日=中央社) 

 即席めんの値上げは、小麦粉とパーム油の価格上昇を受けてのもので、メーカー各社は今週にも小売価格の引き上げを相次いで発表するとみられる。市中スーパーではまだ値上げされていないが、値上げ後の標準小売価格がラベルに印刷された商品がコンビニエンスストアなどで流通し始めている。値上げ幅は平均で15%程度となりそうだ。
 
 統一のカップめんシリーズは標準小売価格が17台湾元(約60円)から20元となるほか、袋めんも2元値上げされる予定。阿Q、維力などのブランドも追随する見通しだ。即席めんの値上げは過去1年で3回目となるが、すでに公平会が調査対象とする意向を示しているため、実際の値上げ幅は今回は小幅なものとなる可能性もある。
 
 飲料製品では、統一企業(ユニプレジデント)のパパイヤミルクや果汁などがすでに8~12%値上げされている。

スターバックスも値上げ

 コーヒ-チェーンのスターバックスは、原乳価格の上昇を受けて、今月8日よりカフェラテやカプチーノなど牛乳を使用した商品の価格を一律5元引き上げる。同社では「原乳価格は今年2回引き上げがあり、コストを自社で吸収するには限界だった」と説明している。

 一方、85℃、丹堤コーヒー、壱コーヒーなどのコーヒーチェーンは、今のところ静観する姿勢だ。また、菓子メーカーの義美食品なども、
 販売業者に数回にわたって値上げを求めている。販売業者によると、次の値上げの対象となるのは調味料や缶製品で、メーカーの提示額から見て5~15%となる見通し。
 
 2日付中国時報によると、これまで価格見直しの頻度を「半月ごと」としていた多くのコンビニが、この2日から3日にかけて「1週間ごと」に切り替えて、段階的な値上げに対応する意向だ。量販店は、1年で最大の販促期間である創業祭シーズン後に値上げを実施するかどうか検討する意向だ。
 
ガソリンと軽油、2日から値上げ

 台湾中油は2日、原油価格の高騰を受けてガソリンと軽油の価格を引き上げた。引き上げ幅は、ガソリンで事前の予想を上回る1.3元、軽油が1.4元となった。

 新価格(1リットル当たり)は、▽無鉛ガソリン(オクタン価92)が29.1台湾元▽同(オクタン価95)が29.8元▽同(オクタン価98)が31.3元▽スーパーディーゼル油が26.6元──などとなっている。工業用重油と液化石油ガス(LPG)は経済部の指導により据え置かれた。液化天然ガス(LNG)については、やや遅れて3%程度の値上げが見込まれる。