ニュース 石油・化学 作成日:2011年4月20日_記事番号:T00029479
環境影響評価審査が難航している国光石化科技(KPTC)の大型石油化学プラント(彰化県大城郷、通称・八軽)建設計画をめぐり、環境影響評価専案小組(個別小委員会)が21日に下す最終判断に注目が集まる中、政府は厳しい条件付きで審査通過へと誘導する政治主導の解決を目指すもようだ。20日付中国時報が伝えた。

環境保護団体は22日のアースデイを前に記者会見を開き、改めて建設反対を訴えた(19日=中央社)
政府は厳しい条件で審査を通過させた上で、出資者に計画推進の是非を判断させる構えとされる。施顔祥経済部長は先週、民間出資者に対し方針を説明したが、強い反発の声が上がったとされる。出資者には計画の縮小や環境対策によるコスト増で採算性が確保できなくなる懸念が根強いほか、結局は政治に翻ろうされることへの不信感があるためだ。
来年1月の総統選や立法委員選を意識し、馬英九総統は「環境保護優先」の方針を掲げたが、国光石化の審査が通らない場合、産業界から強い反発を受けるのは必至で、馬政権は板挟み状態となる。民進党が国光石化のプラント建設に反対の立場を打ち出す中、馬政権としては世論と産業界に配慮した打開策を取る必要に迫られていた。
国光石化をめぐっては、既に建設地を海外に変更することもやむを得ないとのムードが広がっており、厳しい条件で審査を通過しても、実際にプラントが建設されるかどうかは微妙な情勢だ。
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