ニュース 電子 作成日:2011年4月20日_記事番号:T00029490
パソコンブランド最大手、宏碁(エイサー)は19日、第2四半期のPC出荷量が前期比で10%減少するとの見通しを明らかにした。王振堂董事長が「3期連続での業績予測の下方修正はない」と表明してからわずか12日後の修正で、厳格な経営管理で知られた同社の混乱に、業界に驚きが広がっている。20日付工商時報などが報じた。
エイサーは出荷見通しを下方修正した理由として、ジャンフランコ・ランチ前執行長(CEO)兼総経理の退任を受けて行った組織再編、在庫調整と関係しており、例年の非需要期の影響も受けたと説明した。新たな経営陣が第2四半期の展望を詳しく分析した結果だという。なお、第2四半期の営業利益率は前期並みの1.5〜2%を維持できるとの見方も示した。
エイサーの見通し下方修正は、欧米が暴風雪に見舞われた昨年第4四半期以来、3期連続となった。4月7日の臨時業績説明会では「タブレット型PCの販売が好調であれば、第2四半期出荷は業績予測の引き上げもあり得る」と説明していたが、一転の下方修正に外資系証券会社から強い不満が示され、花旗環球証券(シティグループ・グローバル・マーケッツ)は同社の目標株価を35台湾元(約100円)に引き下げた。20日の同社株価はストップ安の48.9元で引け、昨年1月の高値103元の半分以下となった。
組織再編の要素大きい
なお、謝宗文・UBS証券アジア太平洋地区川下ハード製造産業首席アナリストは、エイサーの下方修正に「組織再編の要素が最も大きい」と指摘した。エイサーは従来、販売店に在庫を負担させてきたが、組織再編により在庫が同社負担になったことを受けて、下方修正を行ったという。このため、PC需要が弱まったためではないとの見方も示した。一方で、エイサーは強みとしてきた販売店の支持に影響が出るとみられるため、今後については観察が必要だと述べた。
エイサーの出荷目標引き下げに伴い、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)、緯創資通(ウィストロン)、広達電脳(クアンタ・コンピューター)、和碩聯合科技(ペガトロン)など、同社製品の受託生産を行う業者も、出荷目標を修正する可能性がある。
ナンバーツーに翁建仁氏
エイサーは同日の董事会で、欠員となっていた「世界総裁」(Corporate President)に翁建仁・資訊産品全球運筹中心総経理の昇任を決定した。
翁建仁・新世界総裁(エイサー提供)
翁新総裁は1986年入社、営業、製品開発、マーケティング部門を経て01年にIT(情報技術)製品事業の最高責任者となり、05年に世界シニア副総裁に昇任した。今後、ナンバーツーとして王振堂董事長兼執行長を支え、同社の運営に当たる。
エイサーは、従来の資訊産品全球運筹中心を、「触控(タッチコントロール)事業群」と「電脳産品全球運筹中心」に2分割する組織再編も決定した。タッチパネル使用機器の専門部門を新設した形で、タブレットPCとスマートフォンへの注力を強める姿勢がうかがえる。
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