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一見客はお断り、裏メニューのイルカ料理


ニュース 社会 作成日:2011年4月22日_記事番号:T00029522

一見客はお断り、裏メニューのイルカ料理

 台湾東部、宜蘭県の蘇澳港のシーフードレストランで、ひそかな人気を呼んでいる料理がある。「第12号菜(12番料理)」と呼ばれ、馴染み客にしか出さない料理で、その正体はイルカの肉だ。一方、イルカの骨は「第13号菜」と呼ばれている。1皿500台湾元の裏メニューだ。

 メニュー名に隠語を使っているのは、保護動物のイルカを食用にすることが法律で禁じられているからだ。見つかれば6月以上5年以下の実刑と30万〜150万元の罰金が待っている。当然レストラン側も用心深く、馴染み客が注文しても個室でしか食べさせない。一見客なら「そんなものありませんよ」と断られるのがオチだ。

 台湾東部には17種類のイルカが生息しており、ハンドウイルカやハシナガイルカが最も多い。観光客にはイルカウォッチングが人気だが、漁師たちにとってイルカは大切なマグロを食べる邪魔者。捕獲した後に、捜査の目を逃れるために頭と尾、ヒレを切り落として海中に捨て、残りの部分を氷詰めにしている。こうすれば行政院海岸巡防署(海巡署)の目も届かないというわけだ。

 東部だけでなく、西部の雲林県沿海一帯でもイルカ料理は公然の秘密となっている。ここでは「黒豚肉」と呼ばれ、市場でもこっそり売られている。ショウガとネギ、ニンニクしか置いていない店があれば、イルカの肉を売っていると思って間違いない。ショウガなどの薬味は、臭みの強いイルカの肉を炒める際に使うのだ。イルカの肉は約600グラム250元、店頭には出さず「ショウガを包んで」と言えば、冷蔵庫の中から出してくれるという。

 中華鯨豚協会によれば、近年は海の汚染が深刻化し、イルカの体内には高濃度の水銀や塩素が含まれているという。台湾では昔から色の黒いものは滋養があるという考え方があり、このような悪習ができてしまったようだが、イルカの肉を食べると体に悪く、百害あって一利なしだ。