ニュース 社会 作成日:2011年4月28日_記事番号:T00029639
台南市にある台湾糖業(台糖)の永康糖廠(製糖工場)の旧宿舎敷地内には、日本統治時代の神社跡がある。古跡に指定されているものの管理や保護が行われず、石柱や欄干は傾いたまま。破壊や盗難の痕跡まで見られる荒廃ぶりだ。
この製糖工場は日本統治時代の1912年、台湾製糖株式会社の三崁店製糖所として建てられたもの。当時は1日当たり1,200トンのサトウキビを絞っていたという。
神社は80年前の1931年に建立されたもので、国民党政府によって鳥居や本殿は取り壊されたが、本殿土台部分はほぼ完全に残っており、玉垣や参道の一部もその姿をとどめている。
近所の人によると、90年に工場が閉鎖された後、神社は管理する人もなく荒れ放題。中には玉垣の石柱を取り外し、バーベキューに利用する外国人労働者までいるとか。
この荒廃ぶりを実地調査した台南市文化局文化資産処は台糖に対し、神社が2009年に古跡に指定されて以来、2年間も管理責任を怠ってきたとして、歴史的遺産を尊重する態度に欠けると批判。
これに対し台糖は、現在日中のパトロールは行っているが、観光客や市民の心無い行為には対処の術がないと反論。政府が古跡に指定したのだから、政府が管理すべきと主張している。
しかし、文化資産保存法では04年の改正以降、古跡の所有者または使用者が管理責任を負うことになっている。もし、管理を怠った場合は10万~50万台湾元、古跡を破壊した場合は20万~100万元の罰金が科せられる。
その代わり、古跡のある土地は地価税が免除される。実際、台糖本社オフィスは古跡に指定されており、年間200万元の免税措置を受けている。永康糖廠の工場跡は現在、ハイテク企業や物流業者などに貸し出されており、賃貸収入は年間数千万元にも。管理費がないとはいえず、これ以上責任逃れはできそうにない。
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