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蔡英文・民進党主席、女性初の総統候補に


ニュース 政治 作成日:2011年4月28日_記事番号:T00029643

蔡英文・民進党主席、女性初の総統候補に

 野党民進党は27日、来年1月の総統選の候補を決める世論調査結果を発表し、蔡英文主席(54)が同党の公認候補に内定した。蔡氏はライバルの蘇貞昌・元行政院長(63)を僅差で退け、女性として初の総統候補となった。


蔡主席は予備選で敗れた蘇氏と許氏について「民進党には欠かせない存在で、今後も真っ先に意見を求めたい」と述べ、団結をアピールした(27日=中央社)

 注目された民進党の公認候補選びは、出馬意欲を示した蔡英文、蘇貞昌の両氏と許信良・元主席(69)の3氏について、同党と世論調査会社4社が馬氏との一騎打ちを想定した比較方式の世論調査を行い、平均値を求める方式で進められた。

 その結果、蔡英文氏と馬英九氏の対決では、支持率がそれぞれ42.50%、35.04%となり、蔡氏が7.46ポイントで優勢との結果が出た。また、蘇貞昌氏と馬氏の対決では、支持率が41.15%、33.79%となり、蘇氏のリードは7.36ポイントだった。許信良氏と馬氏の対決では、許氏の支持率は12.2%で、馬氏の51.45%に遠く及ばなかった。

 同党は規定に基づき、馬氏をリードした蔡、蘇両氏のうち、支持率で1.35ポイント上回った蔡氏を公認候補に内定した。同党中央執行委員会は5月4日に蔡氏を公認候補として正式決定する。

 敗れた蘇氏は「結果を謙虚に受け止め、蔡氏に祝意を表したい。民進党には改善すべき点も多く、総統選は困難な選挙戦となる。皆で蔡氏を支持し、台湾で3回目の政権交代を実現しよう」と呼び掛けた。

世代交代は進むか

 蔡氏が僅差ながら勝利し、総統選の公認候補に選ばれたことは、表面的には民進党の世代交代に向けた動きを印象づけるものだ。民進党では蘇氏をはじめ「四大天王」と呼ばれる元老幹部がこれまで強い発言力を維持してきたが、世代交代を求める世論との間で温度差が生じていた。

 蔡氏には党内での権力基盤の薄さや指導力不足を指摘する声もあった。しかし、党主席に就任後、与党や中国との対立をあおるこれまでの民進党の色彩を修正し、清新なイメージと穏健路線で好感を集めつつある。ただ、党内では依然として元老幹部が実権を握っており、選挙戦略をめぐり、内部で意見が対立することも予想される。今後は挙党一致で蔡氏の選挙戦を支えていけるかが課題となる。