ニュース 石油・化学 作成日:2011年4月28日_記事番号:T00029665
傘下の国光石化科技(KPTC)による彰化県でのプラント建設計画が中止となり、石化川中・川下業者に供給するエチレンの確保が課題となった台湾中油は、マレーシアで、▽第5ナフサ分解プラント(高雄市楠梓区、通称五軽)の移転▽国営ペトロナスの製油精錬一体化プロジェクトへの参画──の投資案件2件の同時推進を視野に入れている。投資額は合計135億米ドルを見込む。28日付経済日報が報じた。
中油のエチレン年産量は現在108万トン。川中・川下業者に将来145万〜150万トンの供給を行う必要があるが、2013年に第3ナフサが設備更新を経て生産規模を拡大するものの、15年に予定される第5ナフサの稼働停止により、年産量は一気に50万トン減少して95万トンとなる。同社はこのため、第5ナフサを海外に移転した上で、年間35万トンを台湾に輸入する計画だ。
投資環境を好感
朱少華・同社董事長は、マレーシアとインドネシが投資候補先となっていると説明した上で、「マレーシアは用地、港湾、水資源などが優れている」と述べ、環境に好感を示した。
第5ナフサの移転は、投資額35億米ドルで、石油精製1日当たり10万バレル、エチレン年産50万トンのプラント設置を計画している。候補地はポートクラン、ジョホール州の2カ所で、既に地元自治体と協議に入っており、遅くとも13年には決定する方針だ。
ペトロナスのプロジェクトは、石油精製1日当たり22万バレル、エチレン年産100万トンで、投資額100億米ドル。中油は建設地と提携の詳細が決定すれば参画する構えで、台湾の川中・川下業者にも出資を呼び掛ける。
国光石化、投資計画撤回に同意
27日は国光石化の董事会が開かれた。参加した董事らは彰化県での投資計画撤回に同意しつつも、経営を継続していくことで意見の一致を見た。
陳宝郎董事長は、今後台湾域内と海外での投資を行う可能性をそれぞれ検討し、台湾では高付加価値かつ環境への負荷が低い小規模投資、海外では大型投資を行う方針を示した。海外の投資先としては、民間株主からは中国が最も望ましいという意見が出された。
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