中国最大の企業間商取引(B2B)ポータルサイトを運営する阿里巴巴(アリババ)の魏哲総裁が9月に「来年は台湾と日本への進出を検討したい」と語ったことから、台湾への進出観測が持ち上がっている。3日付工商時報が報じた。
アリババは1999年に設立され、現在傘下に5社を擁する。早くから台湾市場進出の動きを見せ、2001年には英領バージン諸島の企業「阿里巴巴網路」の名義で経済部に登記を行った。当時の李旭輝行銷総監は台湾メディアに対し、「台湾支社を設立し、台湾企業の中国進出を支援する」と発表したが、当時はまだインターネット産業の環境が整っていなかったため、計画は延期された。
その後中国市場で安定した地位を確立したアリババは、台湾のB2Bポータルサイト久大資訊の買収を探ったこともある。しかし当時久大資訊は上場直前であったため買収をあきらめた経緯がある。
今年9月中旬、アリババの馬雲執行長(CEO)は台鴻海精密工業の郭台銘董事長を貴賓として招き、郭董事長は「インターネット企業と協力したい」と講演で話した。これによって、「来年アリババが台湾に進出する際、鴻海に協力を求めるのではないか」との観測が流れたが、鴻海の丁祈安スポークスマンは「聞いたことがない」と打ち消した。今年アリババは香港株式市場に上場する予定で、これにより10億米ドルの資金を獲得できるとみられる。3日工商時報が報じた。