ニュース 電子 作成日:2011年4月29日_記事番号:T00029694
大手パソコンブランド、宏碁(エイサー)は、ジャンフランコ・ランチ執行長(CEO)の辞任、3期連続の業績予測下方修正など経営問題が表面化する中、28日に業績説明会を開催し、王振堂董事長(兼CEO)が出荷とシェアの拡大を最優先するランチ路線を放棄すると表明。今後はブランド価値と製品設計能力の向上に努め、エイサー本来の経営に立ち戻る考えを強調した。29日付経済日報などが報じた。
エイサーの翁建仁・世界総裁(左)と王振堂董事長(右)。数字に敏感になっているためか、今後の見通しについて「第1四半期が谷底、例年の非需要期である第2四半期は5〜10%減収」と説明したのみにとどめた(28日=中央社)
王董事長は同日、株主に不安と損失を与えたとして謝罪した上で、これまでの経営体制について、部門間に確執を生じさせ、さらに多ブランド戦略においても出荷量を確保するため明確な差異のない機種を多くそろえすぎ、末端の販売店やODM(相手先ブランドによる設計・製造)メーカーに負担をかけていたと反省を語った。
販売店への押し付けやめる
王董事長は改善点として、各部門の協力を強化して運営効率の向上を図るとともに、販売業者との関係を見直しており、今後は売れ行きが良いときにはすみやかに製品を補充し、悪いときに無理に押し付けるようなことはしないと強調。これにより、2〜3月以内に在庫消化が完了し、第3四半期には正常な経営状態を取り戻せるとの見通しを示した。
また新たに就任した翁建仁・世界総裁も、「シェアは手段ではなく結果」との考えを示し、今後は販売店への出荷量ではなく消費者への販売量を重視するという基本に立ち返ると表明。さらにマーケティングにおいてユーザーに最も重きを置くことで、より多くのオリジナリティーの高い高付加価値製品を生み出したいと語った。
タブレット、「iPadに勝つ」
なお、4月初めに発売したタブレットPCについて王董事長は、「部品不足は深刻で、需要は強いものの、これを完全に満たせていない」と説明した。さらに最終的にはオープンプラットフォームが閉鎖的プラットフォームを越えるとの考えを示し、アンドロイド搭載の同社製品が「来年はiPadに勝つ」と強気の姿勢を示した。
同社のタブレットPCは24日から欧米市場でも発売、6月には販売店舗が1万5,000カ所に拡大する見通しだ。
「感情に訴えるだけ、改善なし」
今回の業績説明会に対して、工商時報が「おおむね肯定的な見方が占めた」と報じた一方、経済日報では「感情に訴えるばかりで改善が示されなかった」、「タブレットPC700万台の目標はまた修正される可能性が高い」などという外資系証券会社によるマイナス評価も伝えられた。
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