ニュース その他製造 作成日:2011年5月3日_記事番号:T00029753
市況悪化と製品価格下落に見舞われている太陽電池業界で、大手の昱晶能源科技(ジンテック・エナジー)が生産調整に入った。減産幅は約2割とみられている。太陽電池の主要消費国が関連補助金の削減を進めていることで、在庫増の懸念が強まる中、対応を迫られたもようだ。3日付経済日報が報じた。
外資系証券会社によると、ジンテックは現有3基の工場にそれぞれ約8本の生産ラインを抱えている。5月から工場ごとに1〜2本のラインの稼働を停止し、稼働率を従来より2割落として8割前後にしたという。
潘文炎同社董事長は2日、生産調整の実施を認め、その程度について「以前は超過生産をしていたが、それを取りやめた」と説明した。
同社はまた、先週エンジニアに対し、勤務日を従来の週5日から週2日へと削減し、残業代の支給停止も通告したという。いつまでこの措置を続けるかの説明は行っておらず、社員の間で不安が高まっているとされる。潘董事長はこれについて「無給休暇は実施していない」とのみ述べ、詳しい言及を避けた。
無給休暇は「従業員を休ませ、その間の給料は支給しない」という措置で、金融危機後の不況期に多くの企業が実施した。なお、同様の「エンジニアの週2日勤務」は、最大手、茂迪(モーテック・インダストリーズ)も導入したという。
川上にも影響
ある太陽電池業者は、「需要が振るわず製品価格の低下が続くのであれば減産に踏み込まざるを得ない」と述べつつ、「今はちょうど政府が企業に賃上げを呼び掛けている時期のため、無給休暇の導入は具合が悪い。メーカーの多くは我慢をして持ちこたえようとするのではないか」と指摘した。
元大投資顧問によると、太陽電池価格は第1四半期の1ワット(W)当たり1.2米ドルから、現在1.05〜1.1米ドルへと低下。中国メーカーの中には0.95米ドルまで引き下げて受注機会を狙うところもあるという。
UBS証券の鄭徳栄・科技産業アナリストは、川下の不振は川上に影響し、太陽電池用シリコン価格も下落するとの見通しを語った。
ソーラーテック、25%減収
市況の悪化を受けて、業界大手の昇陽光電科技(ソーラーテック・エナジー)は4月の売上高が12億5,700万台湾元(約35億7,000万円)と、前月比25.53%の大幅減収となり、過去最高更新がストップした。同社主管は「市場の見通しは良くない。今後の状況は観察が必要だが、工場拡張はスケジュール通り進める」と説明した。
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