ニュース 社会 作成日:2011年5月10日_記事番号:T00029876
「5時間280元」——高雄市内のあるビジネスホテルの宿泊料金だ。台湾高速鉄路(高鉄)の開通で北部ビジネス客の利用が激減した同市ホテル業界では、6月に見込まれる中国人観光客による台湾での自由旅行解禁を前に、生き残りをかけた競争が勃発している。
冒頭のビジネスホテルは、1968年に開業した第一大飯店が前身だ。10年余り前に一度廃業したが、最近になって全面的な改装が行われ、客室数42ルームのビジネスホテルに変身した。
同ホテルの宿泊料金は、40年以上前の開業時でも1泊200元〜。これは当時の公務員の給与半月分に相当し、映画スターも利用する超高級ホテルだったという。再オープンしたホテルの利用料金は、平日(月〜木曜)5時間280元(延長1時間ごとに100元プラス)、休憩3時間100元。開業時にタイムトリップしたかのような激安料金だ。なんと、中国で出稼ぎ労働者が泊まる宿よりも安いらしい。
業界では、中国人観光客を当て込み、不良債権となったホテルを買収したり、古いビルやホテルを改装して開業する業者が増えており、高雄市のホテル総客室数は既に2万室を上回っている。しかし、客室稼働率は55%、宿泊料金は観光ホテルが1泊3,000〜7,000元、一般ホテルが約500〜2,000元と5直轄市で最低水準だ。
高雄市ではホテル戦国時代の到来で、5つ星ホテルも危機感を強め、他の業者との提携して新たなサービスを展開。セレブ女性向けにネイルアートやサウナなどのサービスを付けたプラン、シーズン中は球場までの送迎サービスを付けた野球ファン向けプラン、高雄郊外のテーマパーク入場券プレゼントなど、多様なサービスを提供している。
中国人観光客は増え続けているとはいえ、大半は高雄市では通常1泊しかしないため、今後もホテルの間では骨身を削る争いが続くとみられる。
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