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台湾の防衛能力低下、未来の選択肢狭める=米学者


ニュース 政治 作成日:2011年5月11日_記事番号:T00029907

台湾の防衛能力低下、未来の選択肢狭める=米学者

 米ジョージタウン大の中国問題専門家、ナンシー・タッカー教授は9日、ワシントンで開かれたシンポジウムで、台湾の防衛能力が低下し続ければ、将来取り得る選択の幅に影響しかねないとの認識を示した。11日付自由時報が伝えた。

 タッカー教授は、中台関係の改善と台湾側の対中融和ムードで、台湾の軍事力は災害救助などに役割がシフトしており、台湾の防衛費が域内総生産(GDP)の3%以下に低下している点に懸念を表明。その上で「中国の台湾に対する軍事的脅威と台湾の外交的孤立に変化はない。中台の軍事バランスが北京に傾き続けようと、台湾には依然抑止力が必要」と強調し、「米国が兵器供与を継続すれば、台湾が中国と交渉する際にいかなる選択もなくなる事態を防げる」と指摘した。

 一方、アジア太平洋問題専門家、ロバート・サッター教授は同じシンポジウムで、「米国の台湾に対する支持は崩れつつある。中国の台頭と台湾の弱体化で、台湾が現状を維持することはますます困難となっている。台湾はさらに北京に依存し、統一に向かうこと以外、選択がないように思える」と指摘。その上で、「台湾と米国の政策決定層は最終的に中台統一に向かうことを理解しているが、台湾の民衆や多くの団体の立場はそうではなく、最終的に重大な対立を招く可能性がある」と分析した。