ニュース 社会 作成日:2011年5月16日_記事番号:T00029996
日本航空JL5041便で羽田から台北・松山空港に到着した日本人男性が、「1,200万円を盗まれた!」と警察に駆け込んだものの、警察側の機転の利いた捜査で虚偽の通報だったことが発覚した。
自称ビジネスマンのこの男性は、4月22日午前9時35分に入境後、黒いスーツケースを引っ張り、航空警察局台北分局へ駆け込んだ。しかし、男性の供述にはあいまいな点が多く、警察は疑問を抱いた。
訪台経験が豊富なビジネスマンなら、「1万米ドル以上の外貨を持ち込む場合、事前申告が必要」という台湾の規定を知っているはず。ところが男性は申告しておらず、税関で没収されるリスクを冒していた。しかも本当にスーツケースの中に大量の札束が入っていれば、日本と台湾の出入境の際にX線検査で引っかかるはずだ。
そこで警察は、銀行から1,200万円分の現金を借用し、重さを量ったところ1,286.38グラムだった。一方、男性が日本のチェックインカウンターで預けた際のスーツケースの重さは、約11キログラム。スーツケースの中から所持金1,200万円が盗まれたのであれば、重量は約9.7キロになっているはず。ところが実際の重さは11.75キロだった。
この見事な検証に、男性はぐうの音も出なかった。通訳を介し「勘違いかも…日本に帰って探してみます」と言い残し、すぐ立ち去ったという。男性を出迎えに来た台湾の貿易会社社長によると、「あなたに支払う前金を落としたので、先に融通してもらえないか?」と頼まれたそうで、ますます怪しさが募る。
警察によると、昨年10月の松山〜羽田路線の就航以来、台北市内の林森北路や西門町で、日本人による遺失や盗難の被害通報が激増している。ただ、その中には警察の証明があれば、帰国後、保険会社に保険金が請求できることを利用し、虚偽の盗難を通報する者もあるという。今回の騒動も同じ手口だったとすれば実に情けない話だ。
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