ニュース 社会 作成日:2011年5月17日_記事番号:T00030025
台北市の代表的な夜市(ナイトマーケット)、士林夜市に対する批判が週刊誌「非凡新聞周刊」最新264号に掲載され、ちょっとした論争を呼んでいる。「崩壊する士林夜市」と題したコラムで、作家の朱学恒さん(36)が寄稿したものだ。
朱さんが子どものころから親しんでいる士林夜市。昔はどの屋台にも個性や特色があり、それぞれが得意とする食べ物や飲み物、例えば蚵仔煎(台湾風カキ入りオムレツ)などだけを売っていた。
ところが中国人観光客が増えた2年ほど前から屋台に個性がなくなった。蚵仔煎と同時に牛肉麺(めん)や臭豆腐も売るなど、「何でもあり」的な屋台ばかり。来店客の大半を占めるようになった中国人観光客を取り込むため、どの店にも同じような食べ物が並ぶようになってしまったのだ。
確かに何でもあるが、どれも以前よりも味が落ちてまずくなった。背景には、食材の高騰という事情もあるようだが……。朱さんによると、注文した蚵仔煎はすっかり干乾び、焦げていた。臭豆腐には全然味が染み込んでいないし、羊肉湯(羊肉の漢方スープ)には漢方薬独特の香りもなく、その肉はかみきれないゴムのよう。口直しに買ったサトウキビジュースは、まるでサトウキビの搾りかすを水道水で薄めたかのように薄かったそうだ。
朱さんは「このままでは士林夜市はきっとつぶれるだろう」と嘆くが、屋台を営む業者らは平気のようだ。ある十全排骨(豚バラの薬膳煮)の屋台主は、「うちは繁盛しているよ」と自信満々。蚵仔煎の屋台主は、「おいしくないと言う客もいるが、お代わりする客もいる」とコメント。いずれの店主も「味覚は個人によって違うもの」と強調している。
一方、交通部観光局は、台北市や夜市自治会、屋台業者に対し、批判の声にも耳を傾けるよう呼びかけている。観光局主催の2010年10大夜市コンテストで、人気賞を獲得した士林夜市。台北市を訪れる観光客が必ず訪れるスポットだけに、消費者を満足させる工夫が求められている。
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