ニュース 電子 作成日:2011年5月19日_記事番号:T00030112
宸鴻光電科技(TPKホールディングス)は18日、友達光電(AUO)からタッチセンサーメーカー、達虹科技(CANDO)の株式19.9%を取得し、筆頭株主として経営を主導すると発表した。TPKはタッチセンサーの世界シェア約5割を確保し、タッチパネルの世界シェアを33%に拡大、最大手の座を固める。19日付経済日報などが報じた。
TPKは18日の董事会で、AUOと同社子会社、康利投資からCANDOの株式を1株31台湾元、総額55億8,200万元(約160億円)で取得することを決議した。経済部投資審議委員会(投審会)の認可を取得次第、2カ月以内に実施する予定だ。
CANDOの董事9席はAUOが3席を占めていたが、まず孫大明TPK総経理が19日付でAUO派遣の董事と交代した。今後TPKが董事長を含む董事3席を取得する見通しだ。
価格交渉力を強化
TPKは出資を通じ、CANDOの第4.5世代工場1基、第3.5世代工場2基の生産能力を獲得できる。これにより、業界シェア2割の勝華科技(ウィンテック)に大きく差を付けることになる。市場の状況に応じて生産計画を共同で立てられるようになることもメリットで、タッチパネル価格の安定に寄与するとみられる。TPKはまた、▽資材調達時の価格交渉力▽技術提携▽マーケティングの統合──などの効果も期待している。
劉詩亮TPK財務長によると、TPKは従来よりCANDOにタッチセンサーの生産を委託しており、CANDOの第1四半期売上高に占める割合が5割近い大口顧客であることから経営統合を計画し、今回出資協議がまとまった。
李焜耀AUO董事長は、今後TPK、CANDO、AUOの間でタッチパネルに関する提携の機会を期待すると語った。AUOはCANDO出資比率が現在20.05%で、経営権を手放すことになるが、タッチパネル事業は断念せず、インセル型タッチパネルを自製し提供していくと強調した。
鴻海陣営の対抗策に
TPKは米アップルが必要とするタッチパネルの過半を供給していることから、AUOが今後、アップルのサプライチェーン入りを果たすとの見方もあるが、両社は特にコメントしていない。
ただ経済日報は、AUOはTPKとの関係を深めることで、奇美電子(チーメイ・イノルックス)を傘下に擁する鴻海科技集団(フォックスコン)陣営に対抗する効果が期待できるとの分析を示した。
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