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作成日:2007年10月5日_記事番号:T00003014
中国シリコン大手に財務危機、原料調達に懸念
中国の太陽電池用シリコンウエハー大手、江西賽維(LDK)で財務危機が表面化し、益通光能科技(イートン・ソーラー)、茂セキ電子(モセル・バイテリック、セキは石へんに夕)など台湾の太陽電池メーカーは、原材料調達への影響を懸念している。LDKの財務危機が拡大した場合、メーカー間で原材料の争奪戦に発展することが憂慮される。ただ、緑能科技(グリーン・エナジー・テクノロジー)、中美セキ晶製品(シノ・アメリカン・シリコン・プロダクツ、セキは石へんに夕)など、台湾のシリコンウエハーメーカーにとってはシェア拡大の好機となりそうだ。5日付経済日報が伝えた。
外電の報道によると、LDKではずさんな財務管理により、帳簿上の在庫量と実際の在庫量に250トンのずれが生じ、会計担当者が退職。さらに、生産設備の拡張が遅れるなど、経営が混乱している。同社は潜在リスクに関する公示を米証券取引委員会(SEC)に提出した。ニューヨーク市場に6月に上場したばかりのLDKの株価は3日に24%急落したのに続き、4日も6.5%下落した。
台湾の太陽電池業界では、LDKの現在の生産能力から見て、年内の供給には問題がないと判断している。ただ、来年の原材料供給は不透明で、世界的に太陽電池原材料のサプライチェーンに影響が及びそうだ。茂セキ電子は「状況を把握している。最悪の場合には別の調達先を探す」とコメントした。
LDKの多結晶シリコン生産能力は今年末の段階で400メガワットに達し、来年には1,000メガワットまで増産を見込んでいた。