ニュース 社会 作成日:2011年5月23日_記事番号:T00030141
発がん性物質を含む淡水河の魚が市場に出回り、事情を知らない一般市民の食卓に上っていることが『蘋果日報』の取材により判明した。政府は消費者に対し、人体に有害な淡水河の魚を食べないよう呼び掛けている。
蘋果日報の調査によると、今月4日午前、3人の漁師が乗る1艘の漁船が、新北市八里区から台北市大同区へと淡水河を北上。途中、重陽橋や台北橋などの下で網を張り、大量のティラピア(呉郭魚)やボラ(烏魚)などを捕獲した。水揚げされた魚は、翌日午前1時ごろ、軽トラックで台北市万華区の中央市場へ出荷された。後の調査では、一部は輸出用冷凍魚を加工する高雄市の食品工場に運ばれたことも分かっている。
記者がこれらの魚12匹を購入し、食品分析の世界大手、台湾SGS(台湾検験科技)に分析を依頼したところ、ティラピアからは1キログラム当たり0.921ミリグラムの、ボラからは同1.04ミリのヒ素が検出された。ヒ素は、台湾では食品における含有量の基準値は定められていないものの、国際がん研究機関(IARC)が発がん性を指摘している有害物質。長期にわたり摂取すると、皮膚がんや肺がん、高血圧、中風、心筋梗塞などになる可能性がある。
淡水河は、汚染状況が改善されているとはいえ、養殖や漁業には適さない「丁類」(中度の汚染)に分類されている。しかし、近年淡水河で漁をする漁師が後を絶たず、漁師が「自分で食べる勇気はない」というこれらの汚染魚が、産地を偽られ台北市や基隆市の魚市場へ出荷されているらしい。
汚染魚の販売者は、食品衛生管理法により6万〜30万台湾元の罰金が、消費者保護法により6万〜150万元の罰金がそれぞれ科せられる。医師からは、検査済ラベルの導入を呼び掛ける声も上がっているが、消費者は当面、産地の分からない魚は、頭や皮、内蔵は食べないようにして自衛するしかなさそうだ。
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