ニュース 電子 作成日:2011年5月23日_記事番号:T00030168
鴻海科技集団(フォックスコン)は中国・四川省成都工場で20日夜に起きた爆発事故に関し、米アップルのタブレット型パソコン「iPad2」生産への影響が懸念されているが、各工場の稼働は通常通りで、影響は大きくないと強調した。外資系証券会社も、成都工場でのiPad2組み立ては鴻海全体の10〜15%にすぎず、広東省深圳工場の生産体制の調整で対応できるとの見方だ。23日付聯合報などが報じた。
爆発事故によって工場棟の4階の窓ガラスは割れ、窓枠はゆがみ、外壁が煙ですすけた(21日=中央社)
事故発生当時、河南省鄭州から山西省晋城に向かっていた郭台銘・鴻海董事長は、報告を受けて同夜のうちに成都に向かい陣頭指揮を執った。丁祈安・鴻海副総経理によると、負傷した従業員の手当てと地元政府の対応への協力に加え、成都工場の稼働をいったん全面停止しての検査実施、また中国各地の工場の責任者にも類似製品の生産に対する厳格な検査を命じた。現時点で生産ラインは徐々に復旧している。
アップルは事故発生直後、遺憾の意とともに、鴻海の調査に協力する意向を表明した。
中央社が中国メディアの報道を基に22日報じたところによると、爆発事故による死者は3人、けが人は15人。当局の捜査によると、研磨加工工場でパイプ内にたまったアルミニウムの粉じんが、電源から発生した火花に反応して爆発した。
Q3生産130万台減か
米系証券会社は、爆発事故が起きたのはiPad2を生産する成都工場内の研磨加工工程の一部にすぎず、組み立て工場や部品などの倉庫は問題ないと指摘した。カナダのRBCキャピタルマーケッツ証券会社は、iPad2生産の主力は深圳工場のため、今回の爆発事故の影響は大きくなく、成都工場が順調に復旧すれば第3四半期の生産台数への影響は130万台以下に抑えられ、第4四半期も影響は限定的と予測した。
部品調達も変更なし
工商時報によると、鴻海は21日のうちに主要サプライヤーとオンライン会議を開催し、通常通りの出荷と発注を原則とすると強調し、iPad2だけでなく、アップルのスマートフォン、「iPhone」も含め第3四半期の量産計画に遅れは出ないと説明し
た。
アップル製品、鴻海以外は受注困難
今回の爆発事故を機に、アップルが鴻海以外の受託生産パートナーを模索するとの観測も出ているが、ある外資系証券会社のアナリストは、鴻海が自社の垂直統合モデル内で部材を調達しているため、仮に和碩聯合科技(ペガトロン)や広達電脳(クアンタ・コンピュータ)が受注できたとしても、アップルの要求に応えるには鴻海サイドから部材を調達しなければならないと、鴻海の優位性を指摘した。
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