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台北市長室は涼しい23度、省エネ規制と矛盾


ニュース 社会 作成日:2011年5月24日_記事番号:T00030170

台北市長室は涼しい23度、省エネ規制と矛盾

 「自分だけ涼しくして、不公平じゃないか!」──郝龍斌台北市長に、市民からこんな不満の声が上がっている。台北市は今月、大型商業施設など公共施設でのクーラーの温度を26度以上とする規制を導入したばかり。ところが、市長室内の温度は23.4度と低く、「涼しい」ことが判明したためだ。

 省エネ政策のダブルスタンダードを暴いたのは、童仲彦台北市議(民進党)。今月20日午後4~5時、市役所内の11カ所の室温を調査したところ、いずれも26度を下回っていることが分かったという。

 最も涼しかったのは、観光伝播局の23.2度。市長室と教育局(23.4度)、民生局(23.5度)、副市長室、秘書処(23.9度)がこれに続き、最も室温が高い建築管理処(25.7度)でも26度には達していなかった。郝市長はかねてから、オフィスの室温は26度に維持していると公言していただけに、面目丸つぶれだ。

 童市議は、21日に実施された高校入試「北北基(台北、新北、基隆3市)高中職聯合入学測験(北北基聯測)」では、試験会場の教室の室温が30度にも達したことを挙げ、「学生には汗だくで受験させる一方で、市長や市職員は市民の血税で涼んでいる」と批判した。

 これに対し、台北市政府ビル公共事務管理センターは、毎日実施している4カ所の室温調査では、いずれも26度の規定に違反していないと反論している。同センターは、床から60センチメートルの高さで、90秒から3分間測定するそうで、市議のように移動しながらの測定では、正確さを欠くと指摘した。

 なお、台北市産業発展局は、5月12日から58カ所の施設を調査し、室温が25度だったカルフール(家楽福)やホテルなど6施設に警告を発した。3カ月以内に改善が見られなかった場合は、最高3万元の罰金処分を科すという。