ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

飲料から有害可塑剤、59万点回収


ニュース 食品 作成日:2011年5月24日_記事番号:T00030197

飲料から有害可塑剤、59万点回収

 人気清涼飲料の「悦氏運動飲料」「Sunkist粒粒檸檬」など、飲料・粉末食品9製品から有害可塑剤のフタル酸ビス(DEHP)が検出され、大手コンビニエンスストアなどから23日までに製品計59万点が回収された。既に台湾全土に流通しており、行政院衛生署は消費者に問題製品を購入、食用しないよう呼び掛けた。既に購入したものについては、返品を受け付ける。24日付中国時報などが報じた。


有害可塑剤DEHPが検出された「運動速燃飲料」(左)と「悦氏動能1000運動飲料」(右)(23日=中央社)

 衛生署の調べによると、DEHPが検出されたのは、▽悦氏運動飲料(名牌食品)▽悦氏動能1000運動飲料(同)▽動力運動飲品(同)▽動力運動飲品檸檬口味(同)▽Taiwan Yes 運動速燃飲料(台湾海洋深層水)▽Sunkist 粒粒檸檬果汁飲料(欧典食品工廠)▽檸檬酵素沖泡飲品(徳康生物科技)▽通暢包酵素飲品(同)▽DDS−16 浄元益生菌粉末(康富)──の9製品。DEHP検出量は350ミリリットル当たり4.9〜11.9ミリグラムだった。海外では体重60キログラムの成人に対し1日当たりの許容量が1.2〜8.4ミリグラムとされており、1本飲めば、この許容量を超えることになる。

 DEHPは食品包装材や化粧品、玩具などに使われる一般的な可塑剤で、製品に弾力や柔軟性を持たせる効果がある。ただ、人体に蓄積すると生殖や神経系統に影響する恐れがあり、台湾では1999年に環境を汚染し人体に悪影響を与える懸念のある「第四類毒性化学物質」の指定を受けた。衛生署は昨年11月に食品包装材からの溶出量上限基準を1.5ppm以下に定め、食品への添加を禁じていた。

供給メーカー責任者を逮捕

 今回検出されたDEHPは食品添加物の乳化剤に含まれていた。このため検察当局は乳化剤の供給元、昱伸香料(新北市中和区)の責任者、頼俊傑容疑者(57)を逮捕し調べを進めている。DEHP混入は、製品のコスト削減、および安定性向上が目的だった可能性がある。このほか、同社の供給先の彰化県、台中市、新北市中和区の食品原料メーカー4社の工場から、DEHPが含まれた乳化剤の容器127本(1本25キロ)を押収した。

 昱伸香料は多数の飲料、食品メーカーと取引関係があるため、衛生署は被害が果汁やプロバイオティクス飲料、ゼリー、ジャム類などにも広がる可能性があるとみて追跡を急いでいる。