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「給料にこだわるな」、台大学長に学生反発


ニュース 社会 作成日:2011年5月25日_記事番号:T00030200

「給料にこだわるな」、台大学長に学生反発

 台湾では6月が卒業のシーズン。台湾大学(台大)から今年巣立つ約8,000人に向けて、李嗣涔学長が贈った「給料にこだわりすぎないように」という助言が、学生の間に波紋を呼んでいる。

 李学長はこのほど、社会人となる卒業生へのはなむけの言葉として、同窓会誌にメッセージを掲載。その中で、商工業界の友人が学長に語った「新社会人への14のアドバイス」を、大変参考になる心構えとして紹介した。

 それによると、職場では仕事に情熱を持ち、給料や昇進に執着しすぎないことが最も重要だという。そして、「とにかくやってみよう」という気概を持ち、「簡単過ぎるので他の人にさせて下さい」とか「これは私の仕事ではありません」、「難しくてできません」などと理由をつけて断らず、「最後までやり遂げる」意志を持つこと。また、定時の出退社にこだわりすぎないこと、失敗から教訓を得ることも大切だとしている。

 学長によると、最近の調査で明らかになった台大生に最も欠けているものとは、チームスピリット、仕事への熱意、コミュニケーション力、ストレスに耐える力、などだとか。こうした傾向は調査結果を待つまでもなく、かねてから指摘されており、「台大病」と呼ばれて企業から嫌われる原因にもなっている。

 学長は、「14のアドバイス」にあるような姿勢で職場に入れば、自身にも企業双方にも有益としているが、学生からは「企業側に肩入れし過ぎ」「給料を気にしないというのは難しい」などと反発も上がっている。

 「能力があれば、給料は後から付いてくる」というのが学長の考えだが、実際には給料にこだわり仕事が見つからないケースも多い。「学長が台大出身の経営者に給料アップを頼んで」などといった要求まで飛出す始末。超エリートだけに、安月給はプライドが許さないのかもしれない。