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空港の両替ダフ屋野放し、台湾のイメージダウンに懸念


ニュース 社会 作成日:2011年5月26日_記事番号:T00030229

空港の両替ダフ屋野放し、台湾のイメージダウンに懸念

 高雄小港国際空港の入境ロビーに、今日も彼の姿がある。白いキャップを被った「小劉」、年齢は40歳前後だろうか。2〜3年前から空港でヤミ両替を行っているダフ屋で、扱うのは香港ドルのみ。

 小劉のやり方はこうだ。あらかじめガイドやドライバーと示し合わせ、到着便情報を確認した後、ロビーに出て来た観光客に足早に近付く。声を掛けた観光客が両替の勧誘に応じると、一緒に空港ビルの外にある駐車場へ移動。違法な取引は車の陰に隠れてわずか2分程で完了する。観光客が去ると、小劉は再び入境ロビーへ戻り、次の客を探す。

 彼は銀行よりも0.03台湾元高い両替レートで客寄せをし、入手した香港ドルは、ヤミ金融を営む「銀楼」で台湾元に再度両替する。例えば、銀行レートが1香港ドル3.72台湾元の場合、小劉が提示するレートは3.75元。銀楼で1香港ドル3.82元で台湾元に両替すれば、ガイドやドライバーへ渡すコミッション(200〜300元)を差し引き、1万香港ドル分の両替で、約500元が小劉のもうけになるというわけだ。

 小劉がターゲットとする香港・マカオからの観光客の中には、「偽札をつかまされるのが心配」「マネーロンダリングの片棒を担ぐのはごめん」と拒否する者も多いが、それでも1便当たり20人ほどが両替に応じるという。

 実はこの小劉、3年間ほとんど毎日「出勤」しており、空港内では有名な存在。このため「航空警察局は、彼にに気付かないのか、見て見ぬふりをしているのか知らないが、いずれにしても管理がずさん」と批判の声が上がっている。このほかヤミ両替は、台中の国際空港、清泉崗空港でも横行しているといわれる。海外からの玄関口だけに台湾のイメージダウンにもつながりかねず、取り締りの強化が呼び掛けられている。