台東県知本で6日、市販の緑茶を飲んだ男性2人が舌をやけどし、病院に担ぎ込まれる事件が発生した。台東県警は毒入りドリンク事件として捜査を進めている。
劉漢武さん(45)と陳朝誠さん(42)は義母の葬儀に参列するため、それぞれ高雄と桃園から台東に駆けつけた。葬儀が終わった6日夜、二人が近所のコンビニで購入した無糖緑茶6本のうちの2本を飲んだところ、舌を大やけど。即座に病院に運ばれ、手当てを受けた。医師によると、二人の舌はやけどのような炎症「舌炎」を起こしているという。
劉さんは「瓶のまま一口飲んだら、舌が塩酸にやられたように熱くしびれた」ので、即座に吐き出し、水で口をすすいだという。一方、陳さんはコップに空けてから飲んだが、同様に舌が赤くはれ上がった。 二人が購入した茶飲料は、某有名メーカーが全国的に販売する市場シェアの高いもので、消費期限は来年6月になっていた。販売店のコンビニによると、問題の無糖緑茶は3日前に仕入れた20ケースの一部。すでに一部を販売済みだが、ここ数日ほかにクレームなどは聞いていないという。店主は、「人から恨みを買う覚えもなく、脅迫電話も受け取っていない」と証言している。
台湾では2005年に台中市で栄養ドリンクに青酸化合物が混入された「台湾版グリコ・森永事件」が発生し、死者が出ていることもあり、台東県警は何者かが毒物を混入した可能性があるとして、二人が飲み残した緑茶と、未開封の残り4本の緑茶の鑑定を進めている。
赤くただれたようになった劉さんの舌(中央社)