ニュース 電子 作成日:2011年6月1日_記事番号:T00030376
タブレット型パソコンの人気によって従来型のノートPCが市場を侵食されるという予測が相次ぐ中、ノートPC受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の陳瑞聡総経理は31日、超薄型軽量新機種の相次ぐ登場により買い替え需要が刺激され、ノートPC市場は2013年に復活を遂げるとの認識を示した。低下が課題となっている受託メーカーの粗利益率も「当然復活する」との見方だ。1日付工商時報が報じた。
コンパルは同日開幕した第31回台北国際電脳展(台北国際コンピューター見本市、コンピューテックス)で、超薄型軽量機3〜4機種を展示した。このうち1機種は台湾の大手ブランド向けで、アップルの「MacBook Air」に似た製品もあり、下半期にサンプルを完成させ、来年に量産に入る予定だ。また、韓国LGディスプレイ(LGD)との合弁メーカー、楽宝顕示科技が開発したノート用薄型パネルも展示した。同製品は宏碁(エイサー)が超薄型機種への採用を決めているという。
陳総経理は、次世代ノートPCは、マイクロソフトおよびARMとの提携で超薄型軽量製品は、速い起動スピードと省電力を特徴として産業の生態を変えるとの見方を示した。インテルの省電力プロセッサーの採用比率は来年末で40%、13年には70%に達する可能性があるとの見通しも提示した。
鴻海の撤退を示唆
ノートPC産業の現状については、「既に成長スピードが鈍化した段階に入り、従来のような2〜3割の年成長率は見られなくなると指摘。今年と来年の成長率については5〜10%との予測を示した。
タブレットPCの今年通年の出荷台数は世界全体で5,500万〜6,000万台、このうち20〜25%がアンドロイドOS(基本ソフト)機種との見方だ。コンパルがノートPCの通年出荷台数を5,500万台から4,800万台に下方修正したのは、タブレットPC人気によって、低価格ノートPC(ネットブック)の出荷台数が600万台減少するとの見通しが主な理由だと説明した。
陳総経理は、アップルの「iPad」がハードの粗利益率を2割前後に抑制する一方、より多くの利益をコンテンツから得ていることを挙げて「旧来のオペレーションモデルは既に続けられなくなった。ODM(相手側ブランドによる設計・製造)メーカーも次の段階に入らなければならない」と指摘した。
そしてこの流れの中で、「フレクストロニクスに続いて、EMS(電子機器受託生産サービス)大手のもう1社もやっていけなくなる可能性がある」と述べ、鴻海科技集団(フォックスコン)がノートPC受託生産事業から撤退する可能性を示唆した。
タブレット・液晶TVが成長
今年の製品出荷目標について陳総経理は、▽ノートPC、4,800万台▽タブレットPC、380万台▽液晶テレビ、800万台──という数字を挙げた。
同3分野が今後の成長のための「3本足」との認識で、スマートフォンを加えれば「4本足」となると語った。従来は売上高の9割をノートPCが占めていたが、タブレットPCと液晶テレビ分野の成長によって、ノートPCの売上構成比は第2四半期末に85%に、年末段階で82%に低下するとの見通しも示した。
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