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可塑剤で短小に?!根拠なきメディア報道


ニュース 社会 作成日:2011年6月3日_記事番号:T00030407

可塑剤で短小に?!根拠なきメディア報道

 有害可塑剤、フタル酸ビス(DEHP)が食品や飲料に添加される乳化剤に含まれていた問題が拡大する中、中国医薬大学が2006年に医学雑誌に発表した「台湾の5歳以下の男児における平均的な陰茎の長さ」の研究リポートが、再び注目を集めている。

 これは、同大研究チームが陰茎短小の疾病研究のため、01〜02年に5歳以下の男児2,126人を対象に陰茎の長さを調べたもの。その中では、台湾人男児の陰茎は白色人種と比べ平均0.5〜0.7センチメートル短いという結果が報告されている。例えば、生後1カ月以下の新生児の場合、台湾人は平均2.9センチだが、白人は3.5センチ。生後1〜6カ月では3.4センチ(白人3.9センチ)、4〜5歳になると、5.0センチ(5.7センチ)といった具合だ。

 医師によれば、陰茎の長さは性的機能とは直接関係がなく、陰茎と睾丸は幼児期ではなく青春期に発育するので、特別な短小でなければ心配する必要はない。もともと、アジア人の陰茎は西洋人より短いといわれているのだ。

 とはいえ、2日公表されたこのデータについて、多くのメディアは陰茎が0.7センチ短いということをセンセーショナルに報道。さらに、「人種による差異だけでなく、有害可塑剤による影響の可能性も否定できない」とする研究チームのコメントまで報じられている。「うちの子は大丈夫か?」と、男児を持つ親たちが心配し、子どもを連れて医療機関を受診するケースがあとを絶たない原因となっているようだ。

 なお、現段階で有毒可塑剤の影響を断定することは不可能に近く、数十年にわたる長期調査が必要だという。今、病院に駆け込んでも効果的な治療が受けられるかどうかは言うまでもない。