ニュース 食品 作成日:2011年6月7日_記事番号:T00030467
食品や飲料への有害可塑剤混入で台湾の食の安全が揺らいでいる問題で、世界保健機関(WHO)のグレゴリー・ハートル報道官は、問題となっている可塑剤のフタル酸ビス(DEHP)について、人体に直ちに影響を及ぼすことはないとの見方を示した。可塑剤事件では、摂取した場合直ちに健康被害が起きるような台湾メディアの報道が過熱しているが、消費者には冷静な視点も必要だ。7日中央社電などが報じた。
可塑剤混入の疑いが報じられ、あるベーカリーチェーンでは先週末以降、売り上げが半減したという(6日=中央社)
WHOが刊行物で定める飲料水の標準では、人体が許容できる可塑剤の1日の摂取量は1リットル当たり0.025ミリグラムで、体重60キログラムの成年では1日当たり許容量は1.5ミリグラムとなる。また、飲料水中の可塑剤の望ましい基準量は1リットル当たり0.008ミリグラム以下としている。WHOは、継続的に摂取した場合は生育面で問題が生じたり、発がん性を含め健康に慢性的な影響が出る恐れもあるが、直ちに健康へのリスクが生じることはないと説明した。
パンにも可塑剤
一方、可塑剤を違法に加えた食品添加物、乳化剤の使用が確認された食品・飲料は6日現在、大手メーカーを含む278社、938品目に達した。
特にこの間、驚きをもって伝えられたのは、可塑剤入りの乳化剤を製造していた昱伸香料の経営者、頼俊傑容疑者が検察の取り調べに対し、香料にも可塑剤を使用し、台湾各地のパン業者に納入したと供述したことだ。
問題の香料は、台北市、台中市、彰化県の業者経由で、製パン業者に卸され、パン生地に使用されていたもようだ。
台中市では、昱伸の出荷先業者に対する市当局の捜索が行われ、問題の香料を押収した。同業者は少なくとも5年にわたり、昱伸から香料を仕入れて、台湾全土の126カ所に販売していた。
パンに可塑剤入り香料が使用されていた疑いが強まったことで、消費者の間ではパンを買い控える動きが出ており、ある業者は「既に検査合格証明を提出しているにもかかわらず、売り上げが減少している」と風評被害を嘆いた。
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