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女性事業主、過去最高の44万人に


ニュース その他分野 作成日:2007年10月8日_記事番号:T00003051

女性事業主、過去最高の44万人に

 
 女性の事業主が過去最高の43万9,400人、事業主全体(191万8,700人)の4人に1人に近い割合(22.9%)に上っていることが、経済部が先月発表した最新の中小企業白書で明らかになった。インターネットの発達による起業しやすい環境の成熟、賃金上昇の頭打ちによる起業志向の高まりなどが背景にある。8日付中国時報が報じた。

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 女性事業主のうち、従業員を雇用している者は昨年度で約9万3,000人、雇用していない者は約34万6,000人に上る。従業員を雇用している事業主は2002年当時は約7万7,000人で、4年で約21%増加した。

 行政院青年輔導委員会が実施している「女性創業者育成班」の昨年の参加者は1,100人と実施初年度からほぼ倍増し、労工委員会の「収入創造アクション」が昨年起業情報を提供したのは女性が53.43%で過半数を占めた。経済部中小企業処の「起業達成計画」への女性の参加割合も45%に上るなど、女性の起業はもはや当たり前になっている。

女性の細やかな特質生かす

 女性による起業増について頼杉桂経済部中小企業処長は、「顧客志向のサービス業が発達し、細やかな心配りのできる女性の特質が発揮しやすくなっている。またインターネットによって起業環境も格段に改善した」と解説する。なお、女性が起業する事業は、零細な規模で内需型産業が多いのが特徴で、件数は増加したものの生産額全体ではそれほど多くないという。

 在宅・小型企業協会(SOHO協会)の張庭庭理事長は、女性の起業が増加している理由について、▽サービス業の隆盛▽美的感覚を持つ商品・サービスの人気▽ネット販売の普及▽不景気▽政策的後押し──などの要因を挙げる。

 台湾大学社会工作学系の王東雲教授は、「高学歴化により能力を発揮したいと考える女性が増えた。非婚、晩婚、少子化などの社会環境も、女性の起業を後押ししている」と指摘した。

「露天商」指向が激増?

 一方、SOHO協会が昨年度北部地区の起業を目指す女性を対象に行ったアンケート調査によると、「最も選びやすい起業タイプ」として、「露天商」を挙げた人が11.08%と前年の2.32%から激増した。特に魅力的な業種とも思えないことから同協会では、「不景気でやむなく起業を選択する女性が増えているのではないか」と考えている。

 起業タイプで最も人気なのはネット関連ビジネスで23.24%だが、前年の約4割からは大幅ダウンで、ブームが下火傾向にあることが分かる。次いで「店舗開設」20.54%、「SOHOなど」が16.68%となった。 

 最もやりたい業種では20%が「飲食業」を選択。次いで「児童教育」が14.6%、「服飾業」13.65%で、「喫茶店」「美容業」とサービス業ばかりが並ぶ。

 女性が創業しやすい環境は以前に比べて成熟はしたが、王東雲教授は、「中小企業の4割が5年以上持たないことが統計で明らかになっており、いかに利益を出し続けるか、起業の前によく考える必要がある」と注意を促している。