ニュース その他分野 作成日:2011年6月22日_記事番号:T00030794
台北市政府労工局は21日、警備員や航空機の客室乗務員など38職種を対象に、1カ月当たりの労働時間に上限規制を設けると発表した。同38職種は業務の性質上、労使合意により勤務時間を柔軟に調整できると労働基準法第84条の1に定められているが、労働時間に規制を設けるのは台北市が初めて。早ければ7月末にも実施され、違反した雇用主は最高30万台湾元(約83万円)の罰金が科され、社名や責任者名が公表されることもある。22日付経済日報などが報じた。
陳業鑫・台北市政府労工局長によると、 労働者の戸籍や会社の登記にかかわらず、台北市において労務が提供されるのであれば、労使が労働時間などを別途取り決める場合、約定書を労工局に提出し審査で認められる必要がある。今回、労働基準法第84条の1に関する約定書の審査基準が発表され、労働時間の上限は職種ごとに、所定労働時間と残業を合わせて4週間で240時間、260時間、288時間に3分類された。
労働時間上限が最も低く設定された第1類(240時間)は、業務負担が重く、強いストレスがかかるとされる▽身辺警備や現金輸送警備▽航空機の客室乗務員▽情報サービス、医療保健サービスのシステム開発エンジニア──など。1日当たり上限は原則12時間だ。警備員は緊急の場合に限り1日14時間の労働が認められるが、次の勤務までに12時間以上の間隔を空けなければならないなど、職種ごとの規定も定められた。
第2類(上限260時間)は▽地方自治体の首長や立法委員の運転手▽救急車の運転手▽託児所の保育士、社会福祉法人の指導員──など。第3類(上限288時間)は、▽一般のビルやオフィスの警備員▽保険会社、不動産仲介会社、証券会社の営業員▽会計士──など。
陳台北市労工局長は、これまで警備員の労働時間が月300時間を超えることがよくあったため、残業時間が短縮されれば会社の負担は増えるかもしれないが、過労死の予防に一定の効果があると語った。
業者は不満
警備業界団体、台北市保全商業同業公会の王振生理事長は、警備員は残業手当で稼いで生活を支えており、労働時間に上限規制が設けられれば、兼業する労働者が増えることになって過労死問題は解消しないと懸念を示した。また、現在ちょうど警備の需要が高まる時期なので、せめて9月から実施してほしいと語った。
不動産仲介会社の従業員からは、実際には労働時間の上限を超えたからといって顧客対応をおろそかにできないとの声も聞かれた。
11月に政府指針
行政院労工委員会(労委会)の王如玄主任委員は、11月中旬までに労働基準法第84条の1を適用する職種と労働時間について見直してガイドラインを示す予定で、「台北市より厳しい規定になるかもしれない」と語った。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722