ニュース 商業・サービス 作成日:2011年6月27日_記事番号:T00030878
交通部観光局によると、中国人による台湾自由旅行解禁で、初日の28日に298人が台湾入りする。政府は観光商機を年間100億台湾元(約280億円)以上と見積もるが、過大な期待で、実際にどの程度の恩恵があるか不安視する声もある。一方、交通関連など新たな需要に恵まれる業種も出てきそうだ。27日付自由時報などが報じた。
観光局の統計によると、自由旅行で28日に訪台する中国人観光客の居住地内訳は▽北京、117人▽上海、70人▽アモイ、111人──。旅行業界関係者は、審査手続きが落ち着く7月5日ごろから人数が増えると予想している。
逢甲夜市、「来客2倍に」
中国人観光客の間で台湾観光スポットとして人気の夜市(ナイトマーケット)では、自由旅行解禁に期待と不安が入り交じっている。
台中市の逢甲夜市は、中国人観光客を対象に、パンフレットや優待クーポンの発行、さまざまな屋台料理を食べられる体験コーナーの設置を検討。凌永欣・逢甲夜市自治会長は、中国人観光客は現在100〜200人ほどだが、自由旅行解禁後は2倍に増え、客単価も上昇すると好感している。
一方、現在の中国人団体旅行者は消費額が極端に少なく、もうけにつながっていないことから、自由旅行解禁を不安視する声もある。台北市・寧夏夜市の羊肉料理店の主人は、店の座席の半分が中国人観光客で埋まったが、 注文がたった80元だったり、10人以上で来店して200元余りしか注文しなかったのに割りばしは10膳(ぜん)以上、備え付けのティッシュペーパーも大量に使用していったこともあると消費の実態を嘆いた。華西街夜市でも、名物の蛇スープ1杯を13人で飲んでいたケースがあったという。
高雄市最大の夜市、六合夜市には毎晩のように観光バス100台以上で中国人観光客が4,000〜5,000人訪れる。しかし、荘其章・管理委員会主任によると、レストランで既に食事を済ませているため100人のうち3人が屋台で食事すればいい方だという。
二極化を予想
世新大学観光系の陳墀吉副教授は、中国人団体客は中級クラスのホテルやレストランの利用が多かったが、自由旅行が解禁されればツアー客が減少し、高級志向とバックパッカーに二極化すると予測。また、観光バスから、レンタカーや公共交通機関の利用に交通手段もシフトし、恩恵を受ける業種に変化が起きると見込む。
なお、旅行業界が予測している自由旅行の商機は60億元余りで、政府見積もりとはギャップがある。ホテル業界では中国人観光客受け入れに向け、新設・改装費用に1,200億元以上を投じているが、一部業者は利益が出ない可能性もある。
行方不明者の増加に懸念
自由旅行の解禁で、観光を装って入境し、身をくらまして違法に就労するケースが増える懸念もある。このため、台湾に入境した中国人が行方不明となった場合、旅行会社に罰金10万元が科され、業界団体の旅行商業同行公会全国聯合会(全聯会)がうち9万元を負担することが決められた。
許高慶・全聯会秘書長は、審査の際に20〜30歳代の若い女性の単身訪台や、収入の少ない人や会社の社長や管理職などでない場合は特に注意すると語った。
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