ニュース 社会 作成日:2011年6月30日_記事番号:T00030939
中国人観光客に対する台湾自由旅行解禁を機に、未許可にもかかわらず「人民元が使える」小売業者が増えている。この現象は特に観光地やホテル周辺のコンビニエンスストアで顕著で、中には「歓迎使用人民幣(人民元の使用歓迎)」と堂々と看板を掲げるところも。
中央銀行によると、台湾での人民元使用は禁じられており、認可を受けた金融機関や外貨両替所で台湾元に両替しなければならないと規定されている。もし、認可を受けていない民間業者が直接人民元を受け取ったことが発覚した場合は全額没収となる。ただし、例えばパイナップルケーキ専門店の「維格餅家」など、金融業務の提供に許可を得た小売業者は、直接人民元を受け取ることができる。
中国のポータルサイト「騰訊網(QQ.com)」などで「台湾で人民元が使える」という情報が広まり、このため人民元を台湾元に両替する中国人旅行者が減っているようだ。旅行業者によると、これまで1人当たり平均1万〜2万台湾元だった両替額が、今では1,000〜2,000元と10分の1に激減。空港内の銀行窓口では、両替のための長い行列はもう見られなくなった。
以前には国民党本部でも、中国人観光客に人気の高い党員バッジや記念品の販売で人民元を受け取っていたことが発覚したほか、日月潭の有名ゆで卵店「阿婆茶葉蛋」や、高雄の六合夜市などでも人民元での支払いが行われていた。
これらの違法行為は市民からの通報によって改善されたが、自由旅行解禁による商機拡大をにらみ、再び復活しているようだ。政府が積極的に取り締まらなければ、台湾では人民元と台湾元が同時に流通する「一国二制度」が定着する恐れもある。
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