ニュース 社会 作成日:2011年7月1日_記事番号:T00030968
 中部の南投県で、墓地不足が深刻化している。先住民が多く住む同県の信義郷や仁愛郷では、土葬が主流のためだ。墓地にする用地が足りず、一つの墓穴に3世代の遺体を重ねて埋葬しているケースも多いことから、納骨により墓地を有効活用することが提唱されている。
南投県の信義郷は、人口約1万7,000人のうち半数が先住民。信義郷長によると、先住民のブヌン族はほとんどが土葬で、火葬の習慣がない。「郷」として台湾で2番目に広い面積(約1,422平方メートル)を持つ信義郷だが、中央山脈と玉山山脈が走る険しい地形のため、墓地として使用できる土地は限られる。
本来、土葬は1つの墓穴に遺体1体が普通だが、信義郷では複数の遺体を重ねて埋葬するという、苦肉の策がとられている。最下層は祖父母、中間層は父母、最上層は孫世代の遺体といった具合で、墓地での「三世代同居」も珍しくない。ブヌン族は、遺体を埋葬した後は二度と移動させないのが習わしだ。昔はベッドの下などに埋葬する「室内葬」を行い、家屋の敷地が遺体でいっぱいになったら、もとの家は先祖の霊の家として残し、新しく家を建てて引っ越したという。
信義郷に次いで面積の広い仁愛郷も、同様の問題に直面している。土葬の習慣を持つタイヤル族も、昔は「室内葬」で、農具や狩猟用具を副葬品としていた。後になってキリスト教が広まり、教会式の葬儀を行うようになったが、今も主流は土葬だ。墓地の用地不足を解決するため、仁愛郷では先住民も漢民族同様に、「まず土葬し、数年経過後に掘り起こして骨を拾い、納骨堂に納骨する」よう呼びかけている。ただ、強制ではないため、先住民が先祖代々伝わってきた土葬の風習を変えるかどうかは、未知数だ。
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