ニュース 社会 作成日:2011年7月6日_記事番号:T00031055
高雄市が中国人観光客増加による商機を狙って企画した、士官学校を巡る観光ツアーが暗礁に乗り上げている。士官学校側が、学校を観光資源として利用することに拒否反応を示したためだ。
高雄市は、市内に陸軍(鳳山区)、海軍(左営区)、空軍(岡山区)と陸海空すべての士官学校を抱える。他の都市にはないこの特色をセールスポイントに、より多くの中国人観光客を呼び込もうというのが高雄市の狙いだ。ツアーコースには士官学校のほか、眷村(外省人の集住地)文化館や外省人風グルメなども盛り込まれており、観光業界も「売れる」と踏んでいるらしい。
しかし、陳盛山観光局長が各士官学校を訪れ、校内の一部開放を求めたところ、いずれも拒絶された。国防部も「士官学校は観光スポットではない」と難色を示しており、高雄市の思惑はすっかり外れてしまった。
陳菊市長(民進党)が観光局を後押しし、粘り強く交渉を続けた結果、陸軍士官学校だけが、「校門の外での写真撮影は、原則的には干渉しない」とやや態度を軟化させた。だが、海・空軍は依然「士官学校は軍事基地であり、たとえ遠くからでも校門の撮影は禁止」とかたくなだ。
ただ、ベテランガイドによれば、中国人観光客で士官学校など軍事関連施設に行きたいという要望は、人民解放軍の退役軍人などごく一部にすぎないのが現状のようだ。
高雄には愛河や六合夜市、蓮池潭、高雄港など観光スポットは多く、帥化民立法委員(国民党、陸軍士官学校出身)が指摘するように、他に見どころがないというわけでもない。また陳市長が所属する民進党は、中国人観光客の増加による台湾の安全保障への懸念を訴えている。そんな中、あえて軍事施設の開放をプッシュする理由について陳市長は「高雄に利益となるなら何でもやる」と語っている。
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