ニュース 社会 作成日:2011年7月8日_記事番号:T00031113
 これまで神秘のベールに包まれていた円山大飯店(グランドホテル)の地下道が、中国人観光客にも公開されることになった。中国人の台湾自由旅行解禁を機に、台北市が新たに企画したもので、対象は同ホテルの宿泊客とレストラン利用客で、国籍は問わない。期間は8月末まで、無料の予約制で毎日午後4時半から見学することができる。
円山大飯店は、政府幹部が多く寄付を行ったり、訪台した海外からの要人がよく宿泊先として利用するなど政治色の濃いホテル。秘密の地下道の存在は知られていたものの、一体どこへ通じているのかは明らかにされていなかった。
同ホテルによると、1973年に造られた地下道は、総統や政府高官の避難用で、全長約180メートル、高さ2メートル30センチ、幅約2メートル10センチの2本。そのうち1本は剣潭公園へ、もう1本は北安公園へと通じている。それぞれが蒋介石元総統が住んだ「士林官邸」とその息子、蒋経国元総統が官邸とした「七海寓所」方面へ避難できるように造られたようだ。これまでにあった、「総統府」や「松山空港」に通じているといううわさは全く外れていたことになる。
なお剣潭公園へ通じる地下道には、蒋介石元総統専用の「滑り台」もある。約70メートルという長さは世界最長だとか。地下道のこう配が急だったことから、晩年の蒋元総統が楽に避難できるよう考慮したものらしい。
またこの地下道、空襲の際には宿泊客や従業員のほか、付近住民も避難できる1万3,108人収容の防空壕(ごう)にもなるという。米国製セメントなど当時としては最高の材料が用いられているとあって、非常に堅固な造りで、99年の台湾中部大地震にもびくともしなかったそうだ。
実際には、この地下道兼防空壕を一度も使うことがなかった蒋元総統。38年後に対岸から中国人観光客が見物にやって来るとは、夢にも思わなかっただろう。
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