ニュース 電子 作成日:2011年7月8日_記事番号:T00031141
ファウンドリー業界は需要期の第3四半期も振るわないとの見方が、外資系証券会社から相次いで示された。大和国泰証券は7日、台湾積体電路製造(TSMC)、聯華電子(UMC)の第3四半期の出荷成長率予測値を前期比0〜8%減に下方修正した。バークレイズ・キャピタル証券は、今後1年を通じて15%の供給過剰に見舞われるとさらに悲観的な見方だ。8日付工商時報などが報じた。
大和証券キャピタル・マーケッツの台湾法人、大和国泰証券アジア科学技術産業研究部の陳慧明主管は、1カ月前には前期比5%としていたTSMCの第3四半期出荷成長率予測値を0%に引き下げた。携帯電話端末の受注状況がパソコンやその他コンシューマ向け電子機器よりも厳しく、特に機能フォン(フィーチャーフォン)の需要が良くないと指摘。IC設計最大手の聯発科技(メディアテック)も第3四半期業績はあまり楽観できないとの見方だ。
また、12インチウエハー工場の設備稼働率が第3四半期にはTSMCが84%、UMCが70%へと、8インチ工場よりも急速に下がると予測した。TSMCは2009年第3四半期以降で初めて、12インチ工場の稼働率が8インチを下回る事態に見舞われる見通しだ。
Q3から在庫調整
バークレイズ・キャピタル証券の陸行之アジア太平洋地区半導体チーフアナリストは、ファウンドリー業界は今年下半期から12年上半期にかけて供給が30%成長する一方、需要は15%しか成長しか見込めないと指摘した。今年第3四半期から在庫調整が進むことなどを要因に挙げ、12インチウエハーの65ナノメートル製造プロセス製品に価格下落圧力がかかるとの予測も示した。
このほか、クレディ・スイス証券はTSMCの目標株価を86台湾元から83元に、メリルリンチ証券はUMCの目標株価を11.9元に引き下げた。
技術力あれば安泰=業界
一方で業界関係者は、ファウンドリー業界が今後数年、供給過剰になったとしても、稼働率が低迷するのは中堅以下のメーカーだけで、技術力でリードする大手の稼働率は非需要期でも90%を割り込む程度にとどまり、70%まで落ち込むことなどあり得ないとの見方だ。特にTSMCの28ナノプロセスは、UMCやサムスン電子でもかなわない、製造性を考慮した設計技術(DFM)で、発注が他社に切り替えられることは考え難いと指摘した。
TSMCは28ナノプロセスの顧客にエヌビディア、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、クアルコム、マーベルなどを抱え、アップルの次世代プロセッサー「A6」の受注観測も出ている。今年第4四半期には、中部科学工業園区(中科)の12インチ工場「Fab15」も28ナノプロセスで量産に入る見通しだ。
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