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南亜プラ、EG生産全面回復へ


ニュース 石油・化学 作成日:2011年7月13日_記事番号:T00031228

南亜プラ、EG生産全面回復へ

 雲林県政府は12日、南亜塑膠工業(南亜プラスチックス)の海豊工場区(同県麦寮郷)内のエチレングリコール(EG)プラント2基に下していた稼動停止処分を、パイプライン保守に改善が見られたことなどを理由に解除した。これにより、世界4位、年産能力180万トンの同社EG生産ラインは約1週間後に全面回復し、アジア市場でのEG供給不足は回避される見通しとなった。13日付蘋果日報などが報じた。

 呉嘉昭・南亜プラ総経理は12日、EGプラント再稼働について、同社売上高に占める割合が大きく、EGを原料とする化繊メーカーに安定供給を実現できると指摘した上で、「21日にもフル稼働できる」と見通しを示した。補修のため自主的に操業を停止していた麦寮工場区のEGプラント2基も先週再開しており、これによりEG生産の全4基が稼働を回復することとなった。海豊工場区の2基は5月、台塑集団(台湾プラスチックグループ)・第6ナフサ分解プラント(通称六軽)の火災を受けて稼動停止処分が下されていた。

 南亜プラのEG生産能力は世界シェア9%を占め、60%以上が輸出に回される。長期契約を結んでいる台湾ポリエステルメーカーへの供給分を確保するため、6月1日から輸出を全面停止していたが、生産の全面回復を機に輸出向け受注も再開するとみられる。

 また、南亜プラは第3四半期売上高が前期比1〜3割以上の成長を遂げると予想されている。

残り3工場、14日に審査

 南亜プラ海豊工場区では依然、▽イソノニルアルコール(INA)▽ビスフェノールA(BPA)▽1,4−ブタンジオール(1,4ーBG)──プラント3基が稼働停止処分を受けており、雲林県政府は14日に改めて処分を見直すかどうかの審査を行う予定だ。

 なお、南亜プラに先立って、台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス、台塑)は、年産80万トンの塩化ビニルモノマー(VCM)プラントが、今後3カ月間、生産量を8割以下に抑える条件付きで稼働停止処分が解除され、11日に生産を再開している。

 台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー)のスチレンモノマープラント2基、芳香族炭化水素プラントは今月中の稼働再開を目指して申請中だ。台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)の第1オレフィンプラント(OL1)は操業を停止したままだ。

【表】