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瑞晶の中科工場稼働、DRAM生産世界一へ


ニュース 電子 作成日:2007年10月12日_記事番号:T00003128

瑞晶の中科工場稼働、DRAM生産世界一へ

 
 DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)最大手、力晶半導体(PSC)と日本のエルピーダメモリが合弁で運営する瑞晶電子(レックスチップエレクトロニクス)の12インチウエハー第1工場(R1)の開所式が12日、台中県の中部科学工業園区(中科)で行われた。2011年までに4棟の工場建設を計画しており、完成すれば月産能力は25万枚以上と、単一工場区のDRAM生産能力としては世界最大となる。
 
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瑞晶電子の12インチウエハー第1工場(R1)
(エルピーダメモリ提供)

 
 開所式は午前9時から力晶の黄祟仁董事長、エルピーダの坂本幸雄CEO(最高経営責任者)が出席して行われ、鏡開きに続いて黄董事長があいさつをした。

 エルピーダにとり、R1は初の海外工場となった。日本、シンガポールなど4カ国・地域の候補地から最終的に台湾を選んだ理由として同社は、以前からファウンドリー契約を結んでいた力晶に中科での工場設置計画があり迅速な推進が可能だったこと、また台湾の優れたハイテク環境、税制優遇などを挙げている。

 瑞晶は2011年までに総額4,500億台湾元(約1兆6,200億円)を投じて4棟の12インチウエハー工場を建設し、1棟につき月産6万枚を目指す。これは台湾企業と海外企業との合弁事業としては過去20年で最大規模だ。

 R1は予定より3カ月近く早い7月の段階で75ナノプロセスでの量産を開始しており、年末には月産3万枚に達する見込み。エルピーダによると、R1の月産枚数は7万枚までの引き上げが望め、最終的には4棟で月産25万枚以上が可能になる見通しだ。また力晶幹部によると第2工場(R2)も早ければ来年下半期には65ナノプロセスから量産に入る予定で、来年末までにR1、R2合わせた月産能力は10万枚に達する。

DRAM価格、暴落の懸念も

 茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)や南亜科技など域内DRAMメーカーも相次いで新たに12インチ生産ラインを整備しており、瑞晶の工場建設も合わせるとDRAMメーカーの累積資本支出は3~5年以内に5,000億元レベルに達することになる。

 ただ、最近はDRAM価格が低迷しており、DDR2512メガバイトeTTチップは一時DDR2発売以来最低の1.1米ドルまで下がった。DRAM需要の伸びが不透明な中、瑞晶の生産能力が上がることにより市場への供給量が一気に増え、DRAM価格の暴落を懸念する見方もある。