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無線ネットが有線に、お粗末な中華電信サービス事情


ニュース 社会 作成日:2011年7月18日_記事番号:T00031290

無線ネットが有線に、お粗末な中華電信サービス事情

 業界最大手、中華電信のインターネット接続に対する不満が噴出している。台中市在住の洪さんは、中華電信の第3世代(3G)無線接続サービスの利用者。コードいらずの快適なネットライフを満喫できるはずが、信号が微弱なために接続してもすぐに途切れてしまう。そこで中華電信に苦情を訴えたところ、なんと5メートルの延長コードを渡され、屋外に置いたネットワークカードとノートパソコンをつなぐはめに。無線サービスが「有線」になってしまったお粗末なケースである。

 国家通訊伝播委員会(NCC)の発表によると、6月に寄せられた移動通信ネットワークに関する苦情は計480件で、そのうち中華電信が150件と最多を占めた。中でも特に多かったのがネット接続関連の苦情(89件)だ。

 事実、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェイスブック上では、中華電信の3G接続速度が遅すぎると訴える署名運動が広がっており、既に6万1,000人の署名が集まっているほど。高い料金にもかかわらず、サービスの質が悪いという批判が集中している。NCCによると、中華電信の通信費の高さは、日、英、米、韓国、香港、シンガポールのうち、日本に次ぐ2位だ。物価水準を考慮すると、中華電信の通信費が相当割高なのは明らかで、顧客の不満が爆発するのも当然だ。

 光ファイバーを使った中華電信のネット接続サービス「光世代」も問題山積だ。通信速度(下り)50Mbpsプランは、6月に月額1,199元から999元へと大幅な値下げが実施され、申込みが殺到したが、実測速度は20Mbpsしかないとの苦情も。顧客によっては、基地局から遠いため、割高な20Mbpsプラン(月額939元)しか利用できないケースもあるという。

 NCCも先ごろ「台湾のブロードバンドが遅れている原因は中華電信が独占しているからだ」と名指しで批判している。こんな商売をしていては、市場開放が進めば消費者は一気に離れていくだろう。