ニュース 電子 作成日:2011年7月18日_記事番号:T00031317
宏達国際電子(HTC)がアップルの特許2件を侵害していると認めた米国際貿易委員会(ITC)による15日(米国時間)の仮決定が、アップル特許侵害訴訟で初となる、グーグル「アンドロイド」OS(基本ソフト)搭載スマートフォンに対する裁決だったことから、今後スマートフォンやタブレット型パソコンなど、あらゆるアンドロイド搭載機種に、米国輸入禁止や巨額の和解金支払いを迫られるリスクが高まった。経済部は国際特許紛争から台湾メーカーを守るため、台湾内で企業などによる特許の相互支援体制の構築を急ぐ。18日付経済日報などが報じた。
ITCの仮判決は、アップルが2010年3月に、HTCから特許侵害を受けたと提訴した10件のうちの2件に対するものだ。最終決定は12月6日に下される見通しだ。法曹界関係者はアップルが本国メーカーとしての優位性がある米国で得意の訴訟に持ち込んだのは、アンドロイド搭載機種の撲滅が目的で、グーグルと正面対決するまで決着がつかないと予測。HTCは次世代製品の開発も米国市場での販売も順調なため、和解を選択する可能性が高いと指摘した。
周永明HTC執行長(CEO)は、特許は同社が携帯電話ブランドとして国際市場に存在し続けるための鍵だと強調し、「平常心で乗り切る」と上訴に意欲を示した。HTCは、9月17日までに自社株式2万株を買い戻すと発表した。半数は従業員への支給用に充て、半数は償却する。業績に対する自信を示すための措置と観測されているが、同社の株価は18日、前営業日比4.1%下落の871台湾元(約2,400円)となった。4月下旬に付けた高値の1,300元からの下落率は33%に達した。
エイサー・ASUSが次の標的?
アンドロイドは、米国で最も人気のスマートフォンOSだ。市場調査会社、コムスコア(comScore)の調査によると、アンドロイドの3〜5月米国市場シェアは38.1%(前期33%)で、アップル「iOS」の26.6%(前期25.2%)を上回る首位。第3四半期はアンドロイド搭載のスマートフォンやタブレットPCの発売が相次ぐため、アップルが華碩電脳(ASUS)や宏碁(エイサー)のタブレットPCを次のターゲットに定める可能性があると、業界で懸念の声が出ている。
こうした中、経済部は工業技術研究院(工研院)に対し、保有する特許を精査するよう指示を行ったもようだ。HTC救援に有利となるのであれば、保有技術を移転する構えとみられる。
また、国際特許紛争に巻き込まれがちな▽スマートフォン▽液晶パネル▽電気自動車(EV)▽バイオテクノロジー──などの分野を対象に、知的財産銀行(IPバンク)を、資本金5億台湾元(約14億円)で工研院主導の下、近く設立する方針だ。海外企業から特許侵害で訴えられた際に、台湾の法人が類似する特許を保有していないかを確認し、有償での授権を通じて訴訟を支援する考えだ。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722