ニュース 石油・化学 作成日:2011年7月19日_記事番号:T00031344
台塑集団(台湾プラスチックグループ)が中国・浙江省寧波市にナフサ分解プラントなどを建設する総額45億米ドルの投資計画、通称「大エチレン計画」が、第12次5カ年計画(2011〜15年)のプロジェクトとして承認されなかったことが分かった。これにより台プラグループは同計画の見直しを迫られ、全体の垂直統合計画に影響が及ぶことも確実な見通しだ。19日付経済日報が報じた。
中国の「浙江省石油化学工業十二五発展計画」の最終案では、中国石油化工集団傘下の鎮海錬油化工の第2期拡張工事を承認し、早期着工を求めている。同計画は年産1,500万トンの製油所、エチレン年産120万トンのナフサプラント、および少なくとも20基の川中・川下の石化工場から成る。浙江省内で第12次5カ年計画で推進する石油化学の大型投資プロジェクトは一つのみで、鎮海錬化の計画への承認は、台プラの「大エチレン計画」が除外されたことを意味し、承認されるには5年後の13次5カ年計画を待たざるを得ない。
この問題で台プラは王文淵総裁が訪中し、中国政府高官に対し大エチレン計画を第12次5カ年計画に盛り込むことを求めるもようだ。台プラ幹部は「第12次5カ年計画で鎮海錬化が承認されたことは数日前に知った。ただ、鎮海錬化の計画とは別々のことで、台プラの投資計画が犠牲になってはならない」と話した。
台プラグループは既に寧波の北崙石油化学区で、ポリプロピレンやポリ塩化ビニル、高純度テレフタル酸、ポリスチレンなど石油化学製品の生産を行っている。ただ原料を台湾雲林県から輸送しているため、現地での生産を目指すべく大エチレン計画を立案した。
ただ、同計画は中国当局の認可に時間がかかっていたことから、昨年5月の段階で、台プラグループ幹部が福建省・海峡西岸経済区(海西特区)も候補地として並行して検討すると発言したことも報じられていた。
寧波拠点拡張計画、売上高倍増へ
なお、台プラが22億8,500万米ドルを投じて進める寧波の石化製品生産拠点の拡張計画は、13年以降に各工場が相次いで完成、生産に入る予定だ。証券会社はこれにより、同拠点の年間売上高が400億人民元(約4,900億円)に倍増、純利益が40億元拡大するとみている。2010年の売上高は200億元だった。
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