ニュース 電子 作成日:2011年7月20日_記事番号:T00031372
電子ペーパー世界最大手、元太科技工業(EIH)は19日、液晶パネルメーカー、中華映管(CPT)との戦略提携を発表した。元太は、アマゾン・ドット・コムが10月にも発売するとされるタブレット型パソコン向けのFFS方式パネルの受注を狙う上で、生産能力の確保が狙いとみられる。中華映管にとっても元太の技術は魅力的で、両社は今後、タブレットPCおよびスマートフォン商機獲得を目指し協力していくと見込まれる。20日付経済日報などが報じた。
握手を交わす劉思誠・元太董事長(左3)と林蔚山・中華映管董事長(左2)。双方にとって「ウィンウィン」の提携と言える(19日=中央社)
元太は7月末までに、中華映管が第三者割当で発行する無担保転換社債を15億台湾元(約41億円)で購入する。転換後の出資比率は6.63%となる。
元太は提携によって中華映管6世代工場で電子ペーパー用バックプレーンやFFSパネルの生産支援を受け、中華映管は元太からFFSパネル技術の提供を受ける。
劉思誠・元太董事長によると、同社の電子ペーパー出荷枚数 は今年、昨年の1,000万枚から2,000万〜3,000万枚へと大幅増が予想される。顧客からは生産能力のさらなる拡大に期待が寄せられているが、傘下の韓国ハイディスの生産ライン(2.5〜3.5世代)は、効率性と規模において7インチ以上の製品に競争力を発揮できない状況で、中華映管の6世代工場から支援を受けることを決めた。
受注に大きく前進
元太はアマゾンの電子ブックリーダー「キンドル」向けに電子ペーパーを供給しており、同社と長年緊密な関係を築いている。業界では、アマゾンはアップルの「アップストア」に匹敵するネット販売プラットフォームを抱えているため、同社がタブレットPCを発売すれば、「iPad」対抗の最右翼に浮上すると目されている。
ただ、アマゾンのタブレットPC向けパネル受注競争において、元太は生産能力の規模が小さいことから劣勢に立たされているとの観測が出ていた。このため、元太が中華映管との提携を決めたことについて同日付工商時報は、新工場建設に巨額の資金を投じることなく一気に生産能力を確保することができ、受注に向け大きく前進したと評価した。
6世代ラインの3割占有へ
中華映管は今後、元太から技術を授権し、同社向けに8月に10.1インチ、9月に7インチのFFSパネルの供給を開始する。林盛昌・同社総経理は、「当社6世代工場の生産能力のうち、今年は元太向けが15〜20%を占め、来年は30%に拡大する」との見通しを示した。
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