ニュース 電子 作成日:2011年7月21日_記事番号:T00031403
米アップルは第2四半期、過去最高となる73億米ドルの純利益をたたきだした。この陰には、薄利で同社製品の組み立てや部品供給を担う台湾メーカーの存在がある。アップルの今年通年の純利益予測値は、台湾製造業大手1,000社の昨年純利益の60%もの水準だ。中国の人件費および部品価格上昇を理由に受託生産価格の引き上げを認めさせた鴻海科技集団(フォックスコン)のケースもあるが、総じて低い利益率に甘んじる現況に、サプライチェーン全体で利益を分け合える体制への立て直しを望む声も少なくない。21日付電子時報などが報じた。
アップルの第2四半期売上高は285億7,000万米ドル、純利益は73億1,000万米ドルで、いずれも過去最高。粗利益率は41.7%に上った。今年通年の売上高は1,000億米ドル(約2兆9,000億台湾元)を超え、純利益は270億米ドル(約7,800億台湾元)が予想されている。
アップル製品の受託生産を担う鴻海は、昨年売上高がアップルを上回る約3兆元に達したが、営業利益率は2.87%でアップルに到底及ばない。台湾製造業大手1,000社を合わせても、昨年売上高は24兆6,000億元とアップルの8.5倍にすぎず、純利益は1兆2,600億元で、アップルの今年の純利益予測値がこの6割相当に迫っている。
部品メーカーはアップルに大幅な値下げを迫られ、一部はアップルの「無償ボランティア」と化する懸念さえ浮上している。タッチパネル価格は10〜15%引き下げられ、▽フラッシュメモリー▽筐体(きょうたい)▽液晶パネル▽受動部品▽デジタルカメラ用レンズ▽石英部品──なども大幅な価格下落を余儀なくされている。
ただ、スマートフォン「iPhone」のサプライチェーンでは、次世代機種発売が見込まれる第3四半期は、アップルからの値下げ圧力が緩和するとみられる。
部品メーカー、7〜8月期待
RBS証券は、「iPhone」次世代機種の発売が9月の場合、リードタイムに1〜2カ月必要なため、部品メーカーは7〜8月好業績が期待できると指摘した。UBS証券は第4四半期にタブレット型パソコン「iPad」次世代機種が発売されるとの前提の下、アップルにタッチパネルを供給する宸鴻集団(TPKホールディング)の第3四半期業績はほどほどで、第4四半期に大幅な成長を見せると予測した。
いずれにせよ、新機種の発売時期にサプライチェーンの業績が大きく左右されるのが現状だ。
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