ニュース その他分野 作成日:2011年7月22日_記事番号:T00031408
行政院労工委員会(労委会)の基本工資(最低賃金)審議委員会は21日、5時間に及ぶ審議の末、来年の最低月額賃金を5.03%引き上げ、1万8,780台湾元(約5万1,000円)とすることを決議した。22日付経済日報が伝えた。
王如玄・労工会主任委員(左)。最低賃金引き上げは、来週にも閣議決定される(22日=中央社)
審議では労働界が9.8%以上の大幅な賃上げを求めたのに対し、産業界は軍人・公務員・教員の賃上げ幅が3%だったことも考慮し、昨年並みの3.47%の賃上げに応じる案を主張した。
これに対し、学識者は月収1万8,000元未満の勤労者の構成比や経済成長率、物価上昇率を考慮し、4.96%の賃上げを提案。最終的に労委会の王如玄主任委員が、賃上げ額を900元ちょうどとし、賃上げ幅を5.03%とすることで意見調整を図った。
労委会の試算によると、今回の最低月額賃金引き上げで直接恩恵を受けるのは、勤労者のうち、台湾人151万人と外国人19万人の計170万人。行政院主計処によると、サービス業では現在月収が1万8,000元に満たない勤労者が全体の60%近くを占めている。最低月額賃金の改定に伴い、パートタイム労働者の最低時給も現在の98元から103元に引き上げられるため、外食業界などに影響が予想される。
労使にくすぶる不満
労使双方が大幅な譲歩を迫られた結果、不満は依然くすぶっている。産業界は、賃上げに加え、全民健康保険や労工保険年金への拠出増で人件費が膨らむことを懸念している。
昨年並みの賃上げを主張していた経済部は「満足していないが、労使双方の交渉結果を尊重する」とコメントした。
中華民国全国工業総会(工総)の蔡練生秘書長は、賃上げ分だけで企業は年間175億元の負担増を強いられ、健保、労工保険などの負担分を加えると、企業の人件費は348億元増えるとの試算を明らかにした。
最低月額賃金引き上げに伴い、労工保険年金、就業保険(失業保険)、退職金積立額の労使双方の負担額も比例して増える。最低月額賃金と同額の給与を受け取る勤労者の負担額は毎月16元、年間192元増え、雇用主の負担額は毎月107元、年間1,284元増える計算となる。
一方、労働界代表の全国産業総工会の林進勇常務理事も「労働者と家族が基本的生活を営むことを保障できるレベルには依然達しておらず、監察院に近く陳情を行いたい」と不満を表明した。
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