ニュース 電子 作成日:2011年7月22日_記事番号:T00031431
宏碁(エイサー)は21日、クラウド技術サービスの米iGwareの買収を発表した。独自の「エイサークラウド」を立ち上げ、ノートパソコンやスマートフォンなどエイサー製品のユーザーにクラウドサービスを提供する。デバイス間の共通プラットフォームでエイサー製品の競争力向上を狙うが、他ブランドもクラウドに注力する中、どれだけ充実したサービスを展開できるかが成否の分かれ目になりそうだ。22日付電子時報などが報じた。
iGwareの買収額は3億2,000万米ドルおよび最高7,500万米ドルの業績報奨金。エイサーによると、iGwareはシリコンバレー(カリフォルニア州)にあり、創業者の顔維群氏は中華系米国人でエイサーの創業者、施栄振氏とは20年以上の交流がある。知名度は高くないものの、任天堂がWiiや3DSなどのゲーム機で同社開発のクラウドプラットフォームを利用するなど、1億人以上にサービスを提供している実績があるという。iGwareは買収に伴い「Acer Cloud Technology Company」に社名を変更する。
「エイサークラウド」はグーグルやマイクロソフトの提供するオープンプラットフォームとは異なり、ノートPCやタブレットPC、スマートフォンなどエイサー製品のユーザーのみに提供する。ユーザーは共通のクラウドプラットフォームを通じて各デバイス間でコンテンツやアプリ、情報を共有でき、利便性が向上する。エイサーは今年はクラウドサービスに関するハードとソフトの設計・統合に注力し、来年に関連製品を発表する予定だ。
他社がより進んだサービス
電子時報はエイサーのクラウド計画について、末端デバイスのコンテンツや情報をクラウドプラットフォームで管理するアイディアは決して新しいものではなく、エイサーが提供した情報で判断する限り、アップルが今秋リリース予定の「iCloud」や、デルの「stage」に類似しているとした。さらに、iCloudやアマゾン・ドット・コムの「Cloud Drive」などはコンテンツを購入できるサービスも備えており、より進んでいると指摘。このため、エイサーはクラウド展開において、コンテンツやアプリの閲覧、購入、ストレージ、複数デバイスの管理などの各分野で機能拡大に力を入れることが重要で、デバイス間の情報共有化や単純なサービス提供だけでは競争力の発揮は困難だと問題点を挙げた。
ASUSは慎重
なお、工商時報によると、華碩電脳(ASUS)にも投資銀行よりクラウドサービス会社の買収案件が複数持ち込まれたが、同社は慎重な姿勢だという。
この理由としては、十分な効果が期待できる合併相手が見つかっていないことのほかに、同社は今後3〜5年でクラウド演算インターフェースに統一規格が設定されるとみており、将来主流とならない方式を今選んでしまうリスクを冒さずに、主流規格が確立してから参入すればよいとの判断がある。また、同社が過去に行った企業買収が十分な効果を挙げていないことも理由のようだ。
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