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台プラまたも失火、六軽復旧に影響


ニュース 石油・化学 作成日:2011年7月27日_記事番号:T00031519

台プラまたも失火、六軽復旧に影響

 台塑集団(台湾プラスチックグループ)の第6ナフサプラント(通称六軽、雲林県麦寮郷)で26日夜、またもパイプラインが焼ける火災が発生した。台プラグループは今年5月の火災で、雲林県政府より傘下のエチレングリコール(EG)工場などに操業停止処分が下されたばかり。まだ稼働再開が許可されていないEG以外の石化3工場や、自主的に操業を止めている第1オレフィン工場(OL1)などは、早期復旧が厳しくなった。27日付経済日報などが報じた。


こうも火災が頻発しては、雲林県消防局もさぞ閉口だろう(26日=中央社)

 火災が起きたのは台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)の、石化製品の各生産工場に水素や窒素、電力、蒸気などを供給する「第1公用工場」の6インチの水素パイプラインで、午後6時50分に失火、午後9時16分に鎮火された。けが人や工場への延焼はなかった。第6ナフサ内での火災は昨年7月以降の1年で6回目となった。

 5月の火災の際は、南亜塑膠工業(南亜プラスチックス)海豊工場区の第2、第3EG工場、およびソノニルアルコール(INA)、ビスフェノールA(BPA)、1,4-ブタンジオール(1,4-BG)の計5工場が稼働停止処分を受けた。EG2工場は7月11日、パイプラインの補修によって潜在的危険性が低下したとして復旧が許可されたが、残り3工場は今週29日に審査が予定されていたため、今回の火災によって稼働再開が認められる可能性は低くなった。

 また、OL1は8月15日の稼働再開を計画していたが、延期になる可能性が出てきた。OL1の稼働再開とともに、第3オレフィン工場(OL3)の保守点検開始が予定されていたため、仮に両方とも稼働を停止した場合、1日当たりの損失額は4億台湾元(約11億円)に達するという。

 なお、第1公用工場付近では、台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー)の芳香族炭化水素工場、および南亜プラのオクタノール工場が5月以降稼働を停止したままだ。

台プラ、「交換に100億元」

 度重なる失火に、経済部工業局はパイプラインの老朽化が深刻で、中身の漏出が火災につながっているとの見方を示し、高品質の新品への交換を迅速に進めるよう台プラに呼びかけた。専門家は第6ナフサは海に面しているため、塩分を含んだ海風によって腐食が進んだとの見方だ。

 これに対し台プラ側は、既に100億元をかけてパイプラインの交換を進めていると説明した。 

【表】