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この世で最も高価なラスク、ネット詐欺で1千万元被害


ニュース 社会 作成日:2011年7月28日_記事番号:T00031521

この世で最も高価なラスク、ネット詐欺で1千万元被害

 ラスクは、薄く切ったパンの表面に卵白と粉砂糖を混ぜたものを塗った焼き菓子。ネットの口コミで広まった「涙が出るほどおいしいラスク」(1箱99台湾元)は、サクサクとした口当たりと程よい甘さが好評で、売り上げが月100万元を超える人気商品だ。

 新竹科学工業園区(竹科)のハイテク企業に勤める張さん(43、男性)は昨年11月、このラスクをネットショッピングで注文し、カードで計2,000元余りを支払った。ところが注文後、ネットショップの会計係を名乗る女性から、張さんが間違って「分割払い」を選択しているので、銀行に取り消すよう要求するとの電話が。

 その後、兆豊銀行から電話があり、分割払いを取り消して、国泰世華銀行へ代金を振り込むよう指示があった。張さんが指示に従うと、今度は国泰世華銀から電話が掛かってきた。操作ミスで口座が凍結されてしまったので、行政院金融監督委員会(金管会)が対応することになったという。

 さらに金管会から電話があり、口座はマネーロンダリングの容疑で金管会の管理下に入るとのこと。すべての預金を引き出し、金管会に預けるよう命じられた張さんは、総額1,200万元余りを引き出し、自称「検察官」に渡した。

 「調査後、問題がなければ返還する」と言われたものの、以来、金管会からは何の音さたもない。そこでやっとだまされたことに気付いたが後の祭り。

 警察は5カ月に及ぶ捜査の末、今年4月に犯人4人を逮捕。主犯(28)は中国人詐欺グループと結託して偽のネットショップサイトを設置し、そこで張さんの個人資料を取得した後、共犯者3人に銀行員などの役を演じさせてだましたという。4人は27日、偽造文書、詐欺などの罪で起訴された。

 張さんにとっては「涙が出るほど苦いラスク」となってしまった。