ニュース 石油・化学 作成日:2011年7月28日_記事番号:T00031547
台塑集団(台湾プラスチックグループ)の第6ナフサプラント(通称六軽、雲林県麦寮郷)で過去1年間で6度目となる火災事故が発生したことを受け、同グループは27日、今後、120億台湾元(約325億円)、2,500人を投入し、2014年6月までに同プラントのパイプライン計1,063本を交換する方針を示した。度重なる事故に周辺住民は「世界最大の違法爆竹工場だ」などと強く非難しており、与野党立法委員からも「六軽を全面停止すべき」との要求が出ている。28日付工商時報などが報じた。
誓約書を交わす蘇治芬雲林県長(左1)と王瑞華台プラ副総裁(右1)。王副総裁は最初、「会う必要はない」と門前払いされ、2時間待ってようやく会見が許されたという(27日=中央社)
今回の火災について台プラは、パイプラインに開いたごく小さな穴からガスが漏れ、50〜60センチメートルの炎となったと説明。出火したパイプは6月に検査・補修を終えたばかりだったにもかかわらず、衝撃を受けたようなへこみが発見されており、検査を請け負った業者に問題があった可能性があると指摘した。
ただ、雲林県の林源泉副県長は、中区労働検査所の調査では、パイプの腐食が原因と認められたと説明。両者の見解は食い違っている。最終的な原因は雲林県消防局が下すことになる。
また台プラの王瑞華副総裁は27日、蘇治芬雲林県長と会見し、謝罪を表明するとともに、▽パイプライン更新計画の提出▽パイプラインの巡回検査員を年内は3倍に増員──など改善に向けた5項目の誓約書を提出した。
南亜プラ3工場、復旧審査延期
今回の事故を受けて林・雲林県副県長は、現在稼働停止処分を受けている南亜塑膠工業(南亜プラスチックス)海豊工場区の3工場について、29日に予定していた復旧審査を延期すると表明した。これにより、同社業績への影響が懸念されている。
また、今回の火災現場は、現在稼働停止中の台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)第1オレフィン工場(OL1)に隣接しており、8月15日に予定していた再稼働に遅れが生じる可能性がある。さらに8月中旬から予定されている第3オレフィン工場(OL3)の保守点検と合わせ、川下へのエチレン供給に不足が生じるとの懸念も出ており、同日付蘋果日報は、台プラ傘下の川下メーカーがスポット市場で調達するようになれば、エチレン価格の上昇につながると指摘している。
中国投資、政府が審査保留か
なお経済部は台プラに対し、海外投資への審査をストップすることで安全対策の改善を促す姿勢のようだ。事実、台プラの中国投資は、2月末以降1件も経済部の審査を通過しておらず、中国・浙江省寧波に予定しているブチルゴム(IIR)およびポリ塩化ビニル(PVC)関連の、投資額1,000万米ドル以上の計画が進んでいない状況だ。
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