ニュース 社会 作成日:2011年8月5日_記事番号:T00031695
中華民国建国100年を記念し、国防部と三立電視台が共同制作するドラマ『勇士們』(勇士たち)は、制作費4,000万台湾元をかけた鳴物入りの大型歴史ドラマ。が、小道具や衣装などの時代考証がかなりいい加減で批判が相次いでいる。
『勇士們』は全20回。物語は3部に分かれ、第1部は抗日戦争時代、第2部は古寧頭の戦い(第二次国共内戦での戦役)、第3部は現代の軍隊生活が描かれる。9月16日から台湾電視(台視、TTV)や三立電視で放送される予定だ。
林郁方・立法委員(国民党)によると、第1部に登場する名将、張自忠将軍は「漢陽八八式小銃」(ドイツのGew88をライセンス生産したボルトアクション式小銃)を使用していたはず。だが、8月2日のクランクイン式典では、国防部副部長が同将軍役の俳優に手渡したのは、国民党が台湾に渡ってから導入された米国製の半自動小銃M1。抗日戦争時代からすれば時空を超えた未来の兵器だ。国防部の軍史館には漢陽八八式小銃が所蔵されているにもかかわらず、一体どういうわけでM1が出てきたのか…。
「M1」を捧げ持つ『勇士們』出演俳優。「こんな装備があれば抗日戦は楽勝だった」との声も(4日=中央社)
さらに、時代背景は民国なのに、男性が清朝時代の丸襟の衣装や現代風のカンフー鞋を着用していたり、ヘアスタイルが当時と違うとの指摘も。このほか、当時の軍服は皺になりやすい綿素材だったが、ドラマの中の軍服は柔らかな混紡の生地が。毛筆で書かれるはずの胸元の名札も印字されたもの──あらを数えだすと切りがない。
これに対し制作側は、式典で出した小銃は国防部が準備したもので、実際にドラマで使用するのは24年式7.92ミリ銃だと釈明。制作に当たっては、きちんと専門家による時代考証を行い、軍史館の資料なども参考にしていると強調しているが…。
建国100年記念ドラマが、とんだお笑い種となって国防部の面目がつぶれぬことを願うしかない。
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