ニュース 電子 作成日:2011年8月5日_記事番号:T00031721
液晶パネル大手、奇美電子(チーメイ・イノルックス)は4日に開催した業績説明会で、下半期も業界の景気見通しが悪いとして、今年の設備投資を年初予定の1,000億台湾元から半減となる500億〜600億元(約1,360億〜1,630億円)に引き下げると表明した。同社は6月末にも設備投資を2〜3割下方修正しており、異例の40日間に2度の修正となった。証券会社は8月のパネル価格について「全製品で小幅下落」と予想しており、台湾パネル業界では第3四半期、第4四半期も損失計上が続く見通しで、金融危機発生時よりもさらに深刻な6期連続赤字となる恐れがある。5日付経済日報などが報じた。
4期連続赤字、計545億元
奇美電が同日発表した第2四半期業績によると、売上高は前期比2.1%減の1,216億9,600万元、純損失は同5.7%縮小したものの130億1,300万元と、世界のパネル大手4社のうち最大の損失規模となった。同社は昨年第3四半期以来、4期連続の赤字で、この間の損失額は合計545億7,700万元、今年上半期だけでも268億1,300万元に上った。
第2四半期の大型パネル出荷枚数は3,547万枚と、前期比9.9%増加したものの、価格下落が響き減収につながった。中小型パネル出荷も9,514万枚で同6.2%減、さらに製品別の売上高は同18.4%の減少となった。
厳しい状況を受けて設備投資の大幅削減を決めた奇美電は今後、第8.5世代工場の拡張規模を縮小するなど、新たな生産能力の拡充を控え、IPS(横電界)方式パネルや有機EL(OLED)パネル、低温ポリシリコン(LTPS)、タッチパネルなど新技術の開発に投資を集中させる考えだ。
また同社は第3四半期のテレビ用パネル出荷を1〜4%減と予測するなど、全体的に景気見通しを慎重視しているが、南部科学工業園区(南科)分公司の王志超総経理は、「当社の在庫水準は健全なため、設備稼働率は市況に合わせ80%前後で調整していく」と強調した。
なお、スマートフォンやタブレット型パソコン人気が高まっているにもかかわらず、同社第2四半期の中小型パネル出荷が減少したことについて陳彦松財務長は、「製品の新旧転換期に当たったため」と説明。下半期は目に見えて出荷が増えるとの見通しを示した。
また中小型パネル出荷は、前年同期比でも5〜6%減となったが、一方で売上高の年成長率は40%に上り、同社がタブレットPCやハイエンドスマートフォン市場での展開を拡大していることをうかがわせた。
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