ニュース 社会 作成日:2011年8月9日_記事番号:T00031753
基隆在住の葉文渓さんは、毎日、台湾北端の景勝地、野柳風景特定区(新北市万里区)の野柳地質公園へと出勤する。彼の仕事は、海水の浸食や風化によって女性の横顔のような形に削られた有名な奇岩「女王頭(クイーンズヘッド)」を保護する警備員。顔をすっぽり覆う帽子とサングラス、長袖長ズボンの出で立ちで、午前7時半から午後5時半まで、毎日10時間の勤務だ。
かつて広告会社に勤務していた葉さんは、転職して警備員になったものの、まさか自分が「女王の側近」になるとは思いもしなかったとか。最初の3日間はあまりの暑さに全く食欲が出ず、あせもが噴出したそうだ。2時間ごとに20分の休憩を取れるが、さえぎるものが何もない炎天下で長時間立ち続け、制服は汗でびっしょりになるという。
野柳地質公園では2年前から中国人観光客が激増。昨年は延べ183万人が訪れた。岸壁に落書きをしたり、有名な女王頭の前で記念撮影をしようと、大騒ぎで押し合いへし合いをする中国人観光客が多いことから、女王頭の安全を危惧(きぐ)した公園側が、警備員を配置するようになった。
ところが夏場、この辺りの気温はすさまじく上がる。昨日8日は気温36.6度と、今年の最高を記録。照り返しのきつい女王頭近くの岩の表面温度は50度にも達した。
葉さんは6月からここに配置されたが、実は今年に入って4人目だ。長期間、炎天下にいると、熱中症になりやすいのはもちろん、過度の紫外線を受けて皮膚がんにかかる可能性も高くなる。まさに命がけの仕事なのだ。こんな激務なのに、給与は時給100台湾元から、月収にして2万5,000元程度というから気の毒すぎる。警備員が次々と交代するのも当然だ。
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