ニュース 社会 作成日:2011年8月11日_記事番号:T00031814
毎年農暦7月20日になると、台湾各地で客家の祭り「義民節」が行われる。この祭りにお目見えするのが「神猪」と呼ばれる供物用の巨大ブタ。この神猪の体重を競うコンテストのため、歩行も困難な巨体に育てられることが動物虐待に当たるとして批判の声が上がっており、動物保護団体などがコンテスト廃止を求めている。
体重が重いほど幸運をもたらすと考えられている神猪コンテストは100年以上の歴史を持つ。参加資格は、通常の約2倍に当たる240キロ以上。しかも上位を狙うには、最低でも600キロの体重が必要だ。
神猪として育てられるブタには1日2回の強制給餌が行われ、運動をさせないよう狭い囲いの中で育てられる。巨大化したブタは骨格が変形し、内蔵が肥大化。自分の体重を支え切れなくなり歩行困難に。最後には公開屠殺され、供物となる運命だ。
神豚は巨体のため、屠殺の際は大勢の大人たちで押さえ込む(台湾動物社会研究会提供)
社団法人台湾動物社会研究会によると、台湾全土には56カ所の義民廟があるが、毎年神猪コンテストを実施しているのは6カ所だけ。そのため、コンテストは義民節に絶対不可欠な儀式というわけではないとして廃止を求める署名運動を続けている。
これに対し、高雄褒忠義民廟管理委員会は、神猪飼育はそんなひどいものではないと反論。1頭の飼育に100万台湾元もかけ、健康管理のために健康食品やエアコンまで使い、大切に育てられるとか。「神猪は宝物、その飼育は神聖な任務」と胸を張るベテラン飼育業者は、「虐待なんてとんでもない」と憤慨。かつて育てた600キロの神猪は、ちゃんと歩くことができたと反論している。
神猪コンテストは物資の乏しい時代に始まり、供えられた豚肉をみんなで分け合って食べるという平安を象徴するものだった。しかし、その意義を見失い、コンテストに勝つという欲求を追求するものになってしまっているとすれば、もう一度、儀式の根本を見直す時期に来ているのかもしれない。
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